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2020.02.10

複数の予定管理を楽にするカレンダー活用術【定時帰りのライフハック#14】

kencom公式:心理学ジャーナリスト・佐々木正悟

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仕事でも私生活でも予定の管理は大変なものです。立場の異なる様々な予定を調整してコントロールするために複数のスケジュール帳をお持ちの方もいらっしゃいます。
このように、たくさんの予定に囲まれていると、どれが確定でどれが仮押さえなのか、はたまたどの立場での予定なのかわからなくなることもあるでしょう。
それを整理し、管理しやすくする方法をご紹介します。

「ペンディング」カレンダーで予定を整理する

複数の予定を管理するのはデジタルが便利

多くの方がご自身のカレンダーやスケジュール帳を使って予定を管理されていると思います。プライベートと仕事の予定を分けるために、色分けして記入や管理をしている方もいらっしゃるでしょう。
こういった紙の手帳やカレンダーにまとめるのは一覧性が高まるので悪いことではありません。ただ、スペースの問題で追記が大変だったり、プライベートの予定だけ見たい、仕事の予定だけ見たいといった要望になかなか答えられないものです。そこでお勧めしたいのがデジタルカレンダーの活用です。

いまどきのデジタルカレンダーには「複数のカレンダーを併用する」という機能が備わっています。「プライベートのカレンダー」と「ビジネス用カレンダー」などはわかりやすいでしょう。
プライベートカレンダーだけにプライベートの予定を入れておき、ビジネス用には仕事の予定だけを入れておけます。
すると、たとえば仕事中は「プライベートを表示しない」こともできるので、仕事中に確認したい用事だけを素早く見つけることができるというわけです。

さらにそれぞれのカレンダーで色分けして管理することも可能です。
プライベートはグリーン、ビジネスをレッドなどにしておけば、視覚的にどの日が忙しくて、どの日は余裕があるかなども見分けることができます。

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以上のような機能を、MacやiPhoneなどであれば標準の「カレンダー」が持っています。AndroidやWindowsではGoogleカレンダーで利用することができます。さらにOutlookでも同様の機能があります。
これらのカレンダーは、PCやスマートフォン間で共有も可能です。ですから「手帳を忘れたから予定がわからない」という不測の事態を極力排除できます。これは大きな強みといっていいでしょう。

予定調整に力を発揮する「ペンディング」カレンダー

プライベートとビジネス用にカレンダーを作るのはよくあるやり方ですが、もう一つデジタルならではの方法として、「ペンディング用」を作っておくことをオススメしたいと思います。
ペンディングカレンダーは、たとえば打ち合わせの日程候補日が3日あったとき、そのすべての日を「予定あり」にしておいて空けておく、というような時に活きてきます。

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3つとも「空き」にしておいたまま、その日に「打ち合わせがあるかもしれない」ことをすっかり忘れて何かの用事を入れてしまうと、ダブルブッキングの危険が発生します。
だからといって、ビジネス用のカレンダーに3つの「ペンディングの用事」を作ってカレンダーを埋めてしまうと、現実以上に時間がない印象を抱え続けることになってしまうのです。

そもそもペンディングは「予定があるかもしれない」だけで、予定があると決まったわけではありませんから、ぜったいに入れておきたいアポイントのためには、ペンディングの日を「空き」としておくほうがいい場合もあります。
その表示と非表示を簡単にオン/オフするために、「ペンディングカレンダー」を作っておくと便利なのです。

表示/非表示の切り替えこそデジタルの強み

以上のような表示と非表示の切り替え、また、カレンダーの使い分けと合体をワンクリックでやれてしまうのが、デジタルカレンダーを利用する最大のメリットであると私は考えます。

アナログの手帳などには入力しやすいといったメリットはたしかにあります。しかし1度記入してしまったものを消したり再表示したりすることがかなり困難です。
たったそれだけのことでしかありませんが、消去と再表示が難しいというのは、変更のあり得る予定管理においては、なかなか面倒くさいことです。

もちろん付箋を使うなどの工夫をすればできることではありますが、無料であることや容易であることを考え合わせると、わざわざ予定を紙で管理することのメリットは、近年になってますます減ってきていると考えます。

予定はデジタルで簡単に管理しよう!

予定のことを頭から全て追い出せる爽快感はクセになりますし、デジタル機器さえあればいつでも確認できるという安心感は余裕を生みます。
予定の管理を記憶でやろうとしてうまくいかなかったり、手帳を買ったけれどうまくいかないという人はぜひ、お金を追加で支払う必要はないので、スマホのカレンダーを試してみてください。

著者プロフィール

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■佐々木正悟(ささき・しょうご)
心理学ジャーナリスト。「ライフハック」の第一人者。専門は認知心理学。1997年獨協大学を卒業後、ドコモサービスに入社。2001年米アヴィラ大学心理学科に留学。04年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。05年帰国以来、「効率化」と「心理学」を掛け合わせた「ライフハック心理学」を探求し続けている。
著書にベストセラーとなった『ビジネスハックス』『スピードハックス』などのハックシリーズ(日本実業出版)のほか、『先送りせずにすぐやる人に変わる方法』(中経出版)、『やめられなくなる、小さな習慣』(ソーテック社)などがある。

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