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2019.12.23

文字を書く手間をできるだけ省く簡単な方法【定時帰りのライフハック#7】

kencom公式:心理学ジャーナリスト・佐々木正悟

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仕事中最もしていることといえば、文字やソースコード、数字などの違いがあるものの、PCへの入力作業ではないでしょうか?
ポチポチと入力しているとあっという間に時間が過ぎてしまうものです。この時間を少しでも減らせたら、よりクリエイティブな作業に時間を使えそうです。
そこで今回のライフハックは文字入力を簡略化する方法をお伝えしましょう。

入力をもっと楽にする、変換機能を有効に使おう

IT時代になって、幅広く利用され続けているライフハックのひとつに「省入力」という分野があります。ようは、長く、入れにくい単語や文章を、わずかな入力でまかなうというやり方です。
たとえば私の場合、「める」と入力するだけで自分のメールアドレスが入力できるようにしています。
省入力というと「単語登録」を連想する人が多いかもしれませんが、じつはやり方はいくつもあります。今回はその中でも2つ、紹介します。

1.単語登録
2.省入力専用アプリを使う

基本の基本、「単語登録」をより便利に使う

これは誰もが最初にやるライフハック、といったら言い過ぎかもしれませんが、多くの人が利用しているでしょう。
先ほど紹介した「める」もそうです。
他に私は「あど」に住所を登録しています。
ちなみに住所は、一度も引っ越したことがない人をのぞくと、複数の住所にすんだことのある人が多いでしょう。以前の住所を思い出す必要が、ときどきあります。
特に引っ越した手には多い。
私は過去のすべての住所を「アド」から変換できるようにしてあります。
電話の番号も「でん」から過去、すべての電話番号を変換できます。

こうしておくと、過去の自動車税の納税者番号などが必要になったとき、パソコンなどのデータから探しやすくなります。
そういう意味では、思い出すのがとても面倒な銀行口座番号や、かかりつけのお医者さんの診察券番号なども「ばんごう」などから変換して呼び出せると便利です。

さらに上級者は「省入力専用アプリ」を使ってみよう

より便利に使いたいという場合は、有料ではありますが省入力専用アプリを使うと良いでしょう。Macでは「TextExpander」などが有名です。
同じアプリがベータ版ですが、ウィンドウズ用にも用意されています。無料のものでは「dash」がありますがこれはMac版のみです。

これら省入力専用アプリの特徴は、ちょっとした入力であらゆる書式やフォーマットが展開できる点です。
たとえば私は sig; と入力すればメールのシグネチャが展開されます。また prf; と入力すれば、プロフィールが展開されるように設定しています。
使い方は非常に簡単で、シグネチャやプロフィールを一度書き上げたらまず登録します。次に、それを呼び出すための「スニペット」という文字列を決めれば良いだけです。先の sig; や prf; やらがスニペットになります。

常に使う書式やフォーマットが決まっている方には、わざわざ以前使ったファイルを呼び出したりする手間なく、さっと使えるので便利でしょう。

単語登録と省入力アプリはどう使い分ける?

1の「辞書変換」と2の「専用アプリ」はどう使い分けたら良いでしょうか。
2の専用アプリは、有料だったりマニュアルが英語だったりするので、ハードルが高いかもしれません。まずは1の辞書変換のみから始めてみましょう。
登録の際には、メールアドレス、住所、電話番号、プロフィールだけでも入れておくと、非常に楽になれますから、あまり気負うことなく登録しておきましょう。

顔文字や、お気に入りのブログアドレスなども登録するという方もたくさんいらっしゃいますが、まとめてやろうとするととても面倒くさいものです。気がついたときに1つ、というやり方で増やしていくのが賢明です。

専用アプリの良いところは、変換する状況(使用アプリ)を選択できたり、変換後の文字入力位置を決めたりもできるというところです。さらに、変換文字列の中にたとえば「今日の日付」を形式を決めて挟むこともできます。
たとえば、「佐々木正悟20191206CHANGES.pdf」というファイル名を入力するのはそれなりに手間ですし、そもそも形式を覚えておくのが大変です。
というより、このような形式を月に一度程度のファイル名のために、覚えておける人は少ないでしょう。

しかし、決められたファイル名で領収書などを送って欲しいという法人などはたくさんあります。ファイル名を入力するたびに「指定された形式はどうだったっけ?」と昔のメールやメッセージをたどるのは、なぜかとても面倒に感じられます。
こうしたとき省入力専用アプリに「/ch」というスニペットで「佐々木正悟 今日の日付 CHANGES」と一発で展開されるようにしておくと、びっくりするほど楽ちんにすみます。

たかが数文字の積み重ねが時間を作る

たかが文字入力で大げさだ、と感じた方は多いかもしれません。しかし、毎日続けているものであるからこそ、入力の手間をできるだけ減らすことで劇的に時間を作ることができるわけです。
まず、1単語、普段よく使う文章から入れてみましょう。きっとその便利さに驚くと思いますよ。

著者プロフィール

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■佐々木正悟(ささき・しょうご)
心理学ジャーナリスト。「ライフハック」の第一人者。専門は認知心理学。1997年獨協大学を卒業後、ドコモサービスに入社。2001年米アヴィラ大学心理学科に留学。04年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。05年帰国以来、「効率化」と「心理学」を掛け合わせた「ライフハック心理学」を探求し続けている。
著書にベストセラーとなった『ビジネスハックス』『スピードハックス』などのハックシリーズ(日本実業出版)のほか、『先送りせずにすぐやる人に変わる方法』(中経出版)、『やめられなくなる、小さな習慣』(ソーテック社)などがある。

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