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2019.11.16

北千住からタカラ湯へ3000歩のぶらり旅【銭湯さんぽ#1】

kencom公式:フォトグラファー鍛治雅志

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街を歩き良い汗をかき、お風呂に入ってその汗をキレイさっぱり流して健康になろうというこの企画。
様々な銭湯を紹介しつつ、その周辺の街情報も少しばかり伝えていきます。
第一回目ということで、まずはその筋の定番北千住の銭湯から始めていきましょう。

銭湯のゴールデントライアングル「北千住」をぶらり

北千住界隈は歴史ある名高い銭湯が密集する故、銭湯のゴールデントライアングルと呼ばれているのはご存知でしょうか。
現在は東京の小金井市にある『江戸東京たてもの園』に移築されており、映画『千と千尋の神隠し』の湯屋のモデルにもなった『子宝湯』ももともとは北千住にありました。そういった文化的価値のある建造物がこの地域には多くあり、今でも営業を続けています。
今回はその中でも『キングオブ縁側』の異名を持つ『タカラ湯』を紹介するとともに、北千住駅周辺に触れていきます。

まずは宿場町通りを散策

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駅からすぐ近くの『宿場町通り』を歩いてみます。
北千住駅前通りから入り、街の雰囲気を感じつつ首を左に右にキョロキョロとお店を物色しながらしばらく歩いていると、気になる場所を発見。

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一見甘味処と思いきや道の駅ならぬ『街の駅』と書かれています。
観光案内所のようで、北千住の歴史についてなど各種パンフレットを入手できました。案内人の方も常駐されているようです。

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いわゆるチェーン店が少なく個性あふれるお店が多く見られた。歴史を感じられる場所や看板などもいたるところにあります。

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こちらは正真正銘の甘味処『福寿堂』。その佇まいとディスプレイされた和菓子を見るとつい吸い込まれてしまいました。入るとお店の方が優しい口調で迎えてくれます。

商店街を抜けて荒川土手へ

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小腹を満たし、さらに先へと歩いていくと、堤防が見えてきました。
スロープを上がると荒川土手に出たようです。そのまま足を西へ進めます。

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広々とした河川敷には野球場やサッカー場、公園があり、訪れたこの日は休日だったこともあって多くの人で賑わっていました。川辺へ降りてベンチで休んでいると、子供達のはしゃぐ声や鉄道橋を渡る電車の音が聞こえ、不思議といつもより時間がゆっくりと流れていくように感じます。

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千住新橋をくぐって一度土手に上がり、川辺の野球少年たちの激闘を見ながらしばらく歩いた後、ふと振り返り街の方へ目をやると、東京のシンボル『スカイツリー』が2つ!?
いえ、もう片方は煙突。そう、今回の目的地が見えてきました。
下町に残る多くの銭湯には煙突が昔と変わらぬ姿で立っています。東京スカイツリーと高さははるかに違えど、地域の人たちの憩いの場としてのシンボル的存在としては今も昔も同じなのでしょう。

いざタカラ湯へ!

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土手を降りて煙突を目印に進んでいくと到着です。
路地の中に現れたのは堂々たる風格の『タカラ湯』。東京型銭湯の代表格である宮造り形式の建物は見るものを魅了する何かを感じさせます。
入り口上部にある大きな彫り懸魚(げぎょ)が特徴で、芸術作品を見るかのようにしばらくの間いろんな角度から眺めてしまっていました。

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お店入り口に掲げられた興味深い物を発見。
木の板に(ぬ)とひらがなで書かれています。これは(ぬ)に板(いた)で浴槽のお湯を抜いたを意味し、営業時間外であることを示すのだそうです。逆に板に(わ)と書かれているのはお湯が沸いたで営業中を表すのだとか。
お風呂屋さんの昔ながらの洒落た看板を見ることができました。

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フロントには各種アメニティーが揃ってあり手ぶらでも入浴可能。
近くの河川敷を走るランナーの人達にとっては嬉しい配慮ですね。

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さて脱衣所に入ると、真っ先に縁側先にある大きな庭園に目を引かれます。しっかりと手入れがされているのが印象的で、錦鯉が泳ぐ池もあり素晴らしい空間が広がっていました。湯上りに縁側に出て火照った体を休ませるには贅沢の一言に尽きます。

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浴室はとても広く、身体の疲れが一気に飛んでいくほどの開放感。淡いピンク色の天井や床のタイルが浴室内に漂う湯気とともにどこか暖かいイメージを感じさせます。
薬湯や電気風呂、ジェットバスなど様々な浴槽がありつい長居してしまいそう。

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各所に屋号である『宝』の文字を発見しました。注意して見ないとなかなか見つからないかも?これぞまさしく『宝探し』のようで、途中から必死に探している自分がいました!

歴史を感じつついい汗をかけるさんぽコース

北千住駅から歩いた今回の散歩。銭湯に着いた時には気付けばいい汗をかいていました。気軽にふらっと散歩するのも立派な運動にはなるものです。 歩いた距離としてはさほど長くはないものの、少しばかりこの町の歴史や古くから残る建物に触れることができ充実した1日となりました。

紹介店舗データ

タカラ湯
住所  :〒120-0041 東京都足立区千住元町27-1
最寄り駅 :北千住駅(徒歩約20分 )
TEL   :03-3881-2660
営業時間 :15:00〜23:30
定休日 :金曜日

著者プロフィール

■鍛治雅志(かじ・まさし)
フォトグラファー
写真の専門学校を卒業後、都内の写真スタジオに勤務。現在はフリーランスとして活動中
銭湯検定2級を所持。友人と行った銭湯をきっかけに興味を持ち、今では全国各地の銭湯を巡るほどその魅力を追い続ける。

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