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2019.10.04

検診が女性の未来を守る!子宮頸がん予防の鉄則

提供:ブルースタープロジェクト

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以前の記事では、子宮頸がんの実態と原因について触れ、自衛手段が取れる数少ないがんという事をお伝えしました。

今回は、いよいよ子宮頸がんにならないための詳しい予防方法です。解説いただいたのは、前回に引き続き婦人科がんの専門家 横浜市立大学医学部産婦人科 主任教授の宮城悦子先生です。

子宮頸がんの検診が予防になる

20歳をすぎたら2年に1度は必ず検診を

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子宮頸がんは、長い年月をかけて進行するので、初期の細胞に異型が見られる段階で発見することがとても重要です。 異形成からがんに進行するまでには、およそ5~10年以上かかるといわれます。つまり、定期的に子宮頸がん検診を受けていれば、がんになる前に治療が出来るので、結果的に子宮頸がんの予防につながります。

世界的に見ても日本の検診受診率は低い

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検診を受ける事が予防の鍵とお伝えしましたが、残念ながら日本では検診を受けている人が4割程度なのが現状です。欧米では18歳以上の約8割が検診を受けているのに比べて、この病気に対する日本人の認識不足を感じざるをえません。一度でも性交渉の経験があるのなら、自分にはリスクがあると自覚して、20歳をすぎたら、少なくとも2年に1回は子宮頸がん検診を受けましょう。

子宮頸がん検診とは?

細胞診による検査は1分程度。新しい検査方法も登場

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一般的にいう子宮がん検診とは「子宮頸がん」検診をさし、子宮頸部の細胞を顕微鏡で調べる検査(細胞診)です。正常な細胞に比べ、異形成やがん細胞は形が異なるので、この細胞診検査で発見できます。検査結果は細胞がどのような状態なのかを推定した、病変の分類法で報告されます。

これまでの子宮頸がん検診は、細胞診による単独のものでした。採取法の問題で悪い細胞がうまく採取できないことや、わずかですが見落としもあるといわれています。しかし子宮頸がんの原因がヒトパピローマウイルス(HPV)の感染であることが明らかになるにつれて、海外では新しい検査法が普及するようになりました。その新しい検査法がHPV検査です。

ウイルス感染を調べるのは「HPV検査」

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この検査では、子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)が子宮頸部の細胞内にいるかどうかを調べます。HPVには100種類以上のタイプがありますが、その中の約15種類ががん化と関係しているハイリスクHPVであることがわかっています。この検査によって、リスクの高いウイルスに感染しているかどうかを特定することが可能になります。日本では一部の自治体の検診や自費検査(オプション)としてクリニックや人間ドック検診で取り入れられています。

感染していれば「陽性」、感染していなければ「陰性」と診断されます。

細胞診、HPV検査のどちらも子宮頸部の細胞を採取して検査します。採取の方法は、子宮頸部の表面を長いへらやブラシのようなもので、優しくぬぐうだけ。基本的に痛みもなく、30秒から1分で終わります。緊張して力が入っていると診察も進めにくく、痛みや不快感を感じることもあります。息を長く吐くことを意識して、リラックスしてなるべく力を抜くように心がけてください。

検診はどこで受けられる?

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20歳以上の女性なら、子宮頸がん検診は自治体が行うがん検診や、健康保険組合で行う職域検診として受けることができます。多くの自治体や職場では検診費用(全額または一部)を助成しています。

がん検診の案内が市区町村から郵送されてくることもありますが、自分から情報を集めないと検診を受けられない事もあります。まずはお住まいの市区町村でがん検診がどのように行われているかチェックしてみてください。

また、HPV検査も一部の自治体で導入がはじまっていて、今後は多くの自治体に広がる可能性があります。

子宮頸がん撲滅も遠い未来ではない

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検診に加え、もうひとつの予防法として多くの国々で導入され効果が得られているのがHPVワクチン接種です。HPVワクチンは、6~7割の子宮頸がんの原因となるウイルスへ(16型と18型)の感染自体を予防するもの。つまり、前がん病変にすらならないようにするものです。

オーストラリアやスコットランドではHPVワクチンによって高度の前がん病変が、フィンランドでは子宮頸がんが実際に減っているというデータが発表されており、有効性が明らかになっています。

WHOは今年、世界の子宮頸がん予防について以下のような声明を出しました。
全世界の少女の90%が性交渉開始前にワクチンを接種して、70%の子が生涯に一回は検診を受け、がんが見つかった90%の女性達がきちっとした治療を受けられれば、子宮頸がんは撲滅できる。まさに、子宮頸がんを過去の病気にしようという世界的戦略です。

もし興味を持たれたらネットで調べたり、医療機関等で聞いたりと情報収集をしてみてください。

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まずは子宮頸がん検診を定期的に受診することをめざしましょう。
「自分は大丈夫」「忙しくて暇がない」という気持ちもわかります。

それでもご自身の身体を守る意味でも、ぜひこの機会に見直してみてください。

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監修医師

■宮城悦子(みやぎ・えつこ)先生
横浜市立大学医学部産婦人科  主任教授 
昭和63年横浜市立大学医学部卒業。平成10年より神奈川県立がんセンター婦人科医長を務め、平成13年より横浜市立大学医学部産婦人科講師、平成19年より同准教授。平成20年より同化学療法センター長。平成26年より横浜市立大学大学院医学研究科がん総合医科学教授(産婦人科学兼任)、平成27年より横浜市立大学附属病院産婦人科部長、平成28年より横浜市立大学医学部産婦人科主任教授を務め現在に至る。

著者プロフィール

■森下千佳(もりした・ちか)
お茶の水女子大学理学部卒。2000年に東海テレビ放送に入社し、主に報道記者として事件、事故を取材制作。女性ならではの目線で取材先の言葉や見過ごされがちな出来事を引き出す事を得意とする。2009年に家族の転勤で、ニューヨークに渡り4年間移住。当時日本ではなかなか手に入らなかったオーガニックのベビー商品、コスメなどを日本に届けるベンチャー起業を立ち上げに関わる。2013年帰国し翌年に女児を出産。2016年より子宮頸がん検診の啓発活動と健康教育を手掛ける一般社団法人の理事を務める。2019年よりフリーのエディターとして、主に女性と子供の健康、子育てに関する取材、発信している。

ブルースタープロジェクト

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子宮頸がんは、検診で早期に発見できれば治療できる病気です。
“このことを多くの人に知ってもらうことで、子宮頸がんによって命を落とす女性を減らしたい”
そんな願いを込めて、ブルースタープロジェクトはうまれました。
シンボルとなるロゴには、すべての女性に「幸せを贈ること」をコンセプトに、幸せの意味をもつ"ブルースター"を女性(female)のシンボルと男性(male)のシンボルを合わせた"ブーケ"で包み込みました。
プロジェクトの詳細については以下のサイトにてチェックしてみてください。

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