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2019.09.25

便秘に悩む人へ...腸内で活躍するさつまいものパワーとは?

ILACY

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秋になると食べたくなる、甘くてホクホクしたさつまいも。糖質が多いため、ダイエットには不向きなイメージがありますが、整腸作用や抗酸化作用が期待できる食材です。

今回も、株式会社アドバンスト・メディカル・ケアの管理栄養士・山田には、さつまいもの栄養と、その豊富な栄養を効果的にとれる調理の仕方を、フードコーディネーターの清水加奈子さんには、おいしくヘルシーに食べられるさつまいもを使ったメニューを紹介してもらいました。

食物繊維や特有の栄養素「ヤラピン」で腸内環境を正常化

さつまいもに含まれる成分の中でも特徴的なのが、「ヤラピン」という栄養素。さつまいもを切ると、その断面の皮の付近から染み出す白い液体です。

「ヤラピンは、さつまいもにしかない栄養素なんです。樹脂のようにネバネバした乳液状の成分で、苦味があります。腸の働きを助けてくれたり、便をやわらかくしたりする働きがあるんですよ」

さつまいもに含まれる食物繊維も、ヤラピンと同様に腸内環境を整える役割を果たすのだそう。食物繊維には不溶性のものと水溶性のものがあり、さつまいもにはどちらも入っているのが大きな特徴です。

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「不溶性の食物繊維は水分を吸収して膨らむため、便のかさを増やしてくれます。そのため、腸内が刺激されて便通が良くなります。一方、水溶性の食物繊維はコレステロールの吸収を抑えてくれたり、血糖値の上昇をゆるやかにしてくれたりするため、生活習慣病予防に効果を発揮するといわれているんです。水溶性の食物繊維は、便に水分を含ませてくれるので、便が硬くて困っている人におすすめですよ。

腸内環境が良くなると、肌がきれいになるなどの美容面でのメリットがあるほか、健康面でも免疫力が上がったり、ストレスを軽減してくれたりと、うれしいことばかり。特に40~50代の女性は、便通に悩んでいる方が多いので、さつまいもは最適の食材だと思います」

サツマイモの糖質が優れている理由

糖質の多いさつまいもですが、実は白米よりもカロリーが低く、さらに血糖値の上昇指数であるGI値が低めなのもポイントです。

「白米100gあたり168kcalであるのに対して、さつまいもは100gで140kcal。また、GI値は砂糖が100としたときに、白米は88、さつまいもは55くらいと低いんです。玄米と同じくらいのGI値なんですよ」

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GI値が高い食品は、食べると一気に血糖値が上がり、その血糖値を早く下げるためにインスリン(血糖を下げる働きのあるホルモン)が大量に分泌されます。それが、肥満や体調不良につながるといわれているのだそう。

「さらに、高血糖の状態が長く続くと血管が傷みやすくなり、皮膚のたるみや肌のくすみなど、美容にも良くない影響が出てきます。ただ、GI値の低いさつまいもなら血糖値が急上昇することなく、糖分がゆるやかに体内へ吸収されるので、そういった心配はいりません」

同じ炭水化物を摂取するなら、腹持ちが良くてGI値の低いさつまいもを選ぶのが◎。さつまいもは、ダイエットの強い味方になります。さらに、さつまいもに含まれるビタミンCにも特徴があるそうです。

「ビタミンCは、シミ予防などのエイジングケアのほか、ストレス対策や疲労回復なども期待できる栄養素ですが、熱に弱く調理の工程で失われてしまうことが多いというデメリットがあるんです。

ただ、さつまいもに含まれるビタミンCは熱に強いという特徴が。さつまいもに多く含まれるデンプンは、熱を加えることで糊化し、ビタミンCを包んで保護してくれます。よって、加熱してもビタミンCが壊れにくくなるんですよ」

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さつまいもの最適な調理法

美容やダイエットの観点では、さつまいもは蒸したり茹でたりするのがおすすめといいます。

「さつまいもを焼くと、水分量が減る分、100gあたりの密度も高くなってしまうので、どうしてもカロリーが高くなってしまいます。さらに、GI値も高くなってしまうため、ダイエット中の方などにはあまりおすすめできませんね」

干しいもも、凝縮された栄養を手軽にとることができて便利ですが、ついカロリー過多になってしまいがちなのが気になるところ。

「さつまいもは便通が良くなるなど整腸作用もありますが、不溶性の食物繊維が多いので、食べすぎると便が詰まってしまうこともあります。栄養豊富だからといって食べすぎず、1日1本程度に抑えて、食べるときはお水をいっしょに飲むようにしましょう」

さつまいもは皮付きで食物繊維しっかり!「さつまいもと鶏肉のきのこご飯」

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続いて、フードコーディネーターの清水加奈子さんが提案するさつまいもレシピ。今回は秋らしく、きのこをたっぷり使った炊き込みご飯を紹介してもらいます!

<材料>(4人分)

さつまいも...2分の1本
鶏むね肉...100g
きのこ(まいたけ、しめじなど)...150g
にんじん...4分の1本
バター...10g
しょうゆ、酒...各大さじ1
塩...小さじ2分の1
米...3合
小ねぎ...少々

<作り方>

1. さつまいもは皮付きのまま、小さめの乱切りに。鶏肉は一口大に切り、きのこは小房に分ける。にんじんは短冊切りにする。

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2. フライパンにバターを熱し、「1」を加えて炒め、しょうゆ、酒、塩を加える。

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3. 炊飯器に米3合分よりやや少なめの水を入れ、「2」を汁ごと加えて炊く。炊き上がったら茶碗に盛り、小ねぎをかける。

「さつまいもは、食物繊維をより多く摂取できるように、皮付きで調理するのが◎。よりコクを出すために、油ではなくバターを使うのもポイントですよ。これに限らず、炊き込みご飯にはぜひバターを使ってほしいです!」と清水さん。

この炊き込みご飯だけでボリュームたっぷりなので、お味噌汁など汁物を一品添えるだけでも十分だと思いますよ!

<レシピ監修>

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フードコーディネーター 清水加奈子(しみず かなこ)

管理栄養士でもあり、調理師、中医薬膳師の資格も持つフードコーディネーター。アイディアレシピやダイエットレシピの提案からフードスタイリングまで幅広くこなし、食関連の企業サイトや雑誌などで活躍中。

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管理栄養士 山田

(株)アドバンスト・メディカル・ケア所属。家族が高血圧気味だったため、食事改善をおこなったところ、数値が良くなったことをきっかけに管理栄養士を目指す。短大卒業後、医療施設で病院食の栄養管理や、保育園で子供たちへ提供する給食作りに携わる。2017年より東京ミッドタウンクリニックに併設するサプリメントショップ「ヘルスケアショップTMMC Plus」に勤務。健康・美容・ダイエットなど、幅広い相談を管理栄養士の立場からサポートしている。

<ヘルスケアショップTMMC Plus>

お客さまが、"より健康でより美しい生活"を過ごされるためのさまざまなご要望にお応えする「メディカルヘルスケアショップ」。Facebookでさまざまな栄養情報を発信中。

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※掲載している情報は、記事公開時点のものです。

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