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2019.07.25

この毎日、いつになったら終わる…? 子育ての閉塞感から抜け出すためには

ウーマンエキサイト

© ucchie79 - stock.adobe.com

参照元:https://woman.excite.co.jp/article/child/rid_E1561440683219/

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小さな赤ちゃんと過ごす毎日。「一体この生活はいつまで続くんだろう…」と途方にくれてしまったことはありませんか?

「こんなふうに思うのは悪いこと」「私はダメな母親だ」と自分を責める人がいるかもしれませんが、実はそう感じるのはきちんとした理由があります。途方にくれてしまうのは自然なこと、仕方のないことなんですね。今回は子育ての閉塞感からの抜け出す方法について、一緒に考えていきましょう。

■乳幼児期の子育ては「時間に区切りがない」

乳幼児期の子どもを育てていると、誰しも「終わりが見えない」と感じることがあるのではないでしょうか。では、なぜ終わりが見えないと感じてしまうのでしょう。

それは「昼と夜の区別がない」「曜日感覚がない」といったことが理由にあります。赤ちゃんは昼も夜も関係なく、寝たり起きたりしていますよね。お母さんもそれに合わせてミルクをあげたり、オムツを替えたりとつきっきりです。だから昼と夜の区別や「今日は何曜日なのか?」といった時間の意識が薄くなります。

© Jacob Lund- stock.adobe.com

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それから「まとまって眠れない」ことも時間がずっと続いているような感覚に陥りやすくなる要因となるでしょう。夜に6時間や8時間などまとまった睡眠をとることで1日のはじまり、終わりのメリハリがつくものですが、昼夜の区別ない乳幼児期の子育てはそうした1日の時間のメリハリがなくなってしまうのです。

■人は「終わりが見えないこと」に苦痛を感じる

乳幼児期の子育てが辛いのは「時間が永遠に続くように思えるから」だと思います。泣く→ミルクをあげる→寝る→オムツを変える→泣く… を繰り返す毎日は、区切りを感じにくいですよね。

© hanack - stock.adobe.com

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人は終わりが見えないことには苦痛を感じるといわれています。

だから「なんだか辛い…」という気持ちも、リセットしにくい状態になるんですね。

さらに子育てがはじめてという人も「終わりが見えない」と感じやすいのではないかと思います。「ミルクを飲んでくれない」ことに悩んでいたのに、少し大きくなったら今度は「夜泣きが激しい」と新たな悩みが生まれ、離乳食がはじまるとまた「食べてくれない」などの悩みが生まれる…。

はじめての子育ては特に、少し成長したと思ったらまた別の悩みが生まれやすくなります。しかも乳幼児期の数年間は24時間、365日営業状態。この状態も終わりの見えなさに拍車をかけているようです。同様に「子どもを危険に晒せない」「私が守らなければ!」という親としてのプレッシャーや責任感も、閉塞感は募らせる要因となりえるでしょう。

■苦痛解消には「定期的な目標」を!

では、終わりの見えない辛さをやわらげていくためにどんなことができるでしょう? おすすめなのは「定期的な目標」をつくることです。

それは「家族で毎年1回海外旅行へ!」のような大きなものではなく、日々のなかの小さなことに対する目標です。例えば…

・来週の金曜日、友だちとランチの約束をしたとしましょう。約束も楽しみのひとつですが、ランチにいくために「来週の水曜日に髪を切る」という目標を立てることができます。

・月末に家族で公園にピクニックにいくと決めたとします。当日を楽しむためにはいろんな道具が必要です。今週中には大きめのレジャーシートを購入しておき、来週中には家族が好きなランチレシピを決めておく… といった目標を立てておくといった具合いです。

・「今日はお散歩の帰りに、気になっていたお店でスイーツを買って帰る」「明日は絶対に大好きな録画ドラマを1本見る」といったことでもOK。

このように定期的に目標を定めていくのは、ある狙いがあります。それは「子育て以外に目を向けること」です。

目標を立てると、未来の楽しい予定を心待ちにすることができ、日常生活にやる気が出て気持ちが切り替えやすくなります。子育て以外のことを考える時間が増えれば、終わりの見えない感覚をやわらげることができるのではないでしょうか。

■自分が本当に楽しめること、好きなことを「忘れない」

また「自分で目標を定める」ことは、小さなことでも自分の好きなもの、楽しいと感じられることを思い出すキッカケづくりになると思います。

特に「自分は〇〇が好き、〇〇できると幸せ」という「自分で自分を喜ばせる」気持ちは、忙しい乳幼児期の子育てにおいて封印しがちです。

例えば、外食のメニューを決めるときも「わが子の好きなものは〇〇だから…」と考えたり、どこかに出かけるときも「家族みんなが楽しめることは…」と考えたり。すべてが子どものため、家族のためになりがちで自分が本当に好きなこと、好きなものを思い出す機会がなくなってはいませんか?

それは自分では意識せずとも、自分の気持ちを知らないうちに封じ込めていることになるのです。1ヵ月、2か月の間ならまだいいでしょう。でも5年も6年も自分の好きなものや好きなことを思い出さない生活を続けていくと、どうなるでしょうか。

子どもの手が離れ、急に1人で過ごす時間ができたとき。「あれ、私は何をするのが好きだったんだっけ?」と自分の好きなこと、ものが頭に浮かばなくなってしまうんです。

私も子どもが大きくなり、突然丸1日を1人で過ごすことになったとき、何かを食べようと思ったら「あれ? 私は何が食べたいんだろう?」と自分の好きなものが思い浮かばなかったことがあり、少し恐ろしくなりました。食べたいものはもちろん、空いた時間に何かしようと思っても好きなこと、したいことが思い浮かばなかったんです。結局、家で1人でボーッと過ごしました。

子どもが巣立ち、自由な時間が戻ってきたとき「何をしていいか分からない」。そうなってしまうのは寂しいものです。自分の好きなことを見つけていこうとする意識があれば「今」に対する考え方も少し違ってくるかもしれませんね。

(佐藤栄子)

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