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2019.02.21

無理をするのではなく「最後の手段」を発明する【習慣の心理学#5】

KenCoM公式:心理学ジャーナリスト・佐々木正悟

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何かを習慣化しようとした時に辛くなるのは、定期的に同じ行動をしなければいけないということです。
これがいつまでも続くと思うと、なかなか気力を振り絞り続けるのは難しいもの。ではどんな方法を用いたら良いのでしょうか。
今回は習慣化における「辛さ」を克服する方法について語りたいと思います。

習慣化に必要なのは無理や我慢ではない

習慣化しても実行が辛い日はある

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まずは早起きを例に考えていきましょう。早起きがどうしてもつらい日は、当然あります。
私は朝の10時まで寝ていた毎日を突然改め、朝の4時台に起きる習慣を身につけて以来、すでに10年が経過しようとしていますが、いまだに朝早く起きることに「つらさ」を感じる日があります。
どう考えても二度寝したほうが気持ちいい。起きるよりも数百倍は気分がいいとしか思えない朝があります。
そういう日はたいてい、冬です。外は暗く、寒い。起きるべき理由も特になければ、起きなくても本当はかまわない。

そんな日は、寝ていればいい。たいていの人はそういってくれるでしょう。私も全くそう思うのです。

さっさと挫折した方が良いこともある

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ここで1つ、大事なことを確認しておきましょう。習慣化にしたいことは、何でも続けたほうがいい、とは言えないと私は思います。
「挫折」や「三日坊主」は悪いこと、という風に多くの人がなんとなく信じていますが、そんなに単純なものではないからこそ、私たちは悩み苦労をするのです。

時には、諦めることが賢明ということもあります。
たとえば私の人生最大の挫折は、アメリカで5年も留学しながら、ついに大学院を卒業できなかったことです。大学院に籍を置いたまま、結局ドクター(博士)にもマスター(修士)にもなれず、日本に帰国してしまいました。
かけた費用のことを考えても、28歳から33歳という時期を費やしたことを考えても、これは恥ずかしい話ですし、救いになるようなポイントを見つけられません。
しかし、これ自体は単なる挫折に過ぎない話でも、私の人生のトータルで見れば挫折して良かったとすら言えます。
少なくとも修士号を取得するまでにも、あと3年はかかっていたでしょう。そうしたら、一文無しになったり、あるいは借金を抱えていたりしながらも、まだアメリカ暮らしをしていたかも知れません。

話を「早起き」に戻しますと、早起きが自分にあっていないなら、さっさと挫折したほうがいいということもあります。

挫折を避ける「最後の手段」を作っておこう

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しかし、それでも継続するためには、大変につらい日をどうにか切り抜けるための「最後の手段」を発明してみましょう。
私の早起きのための最後の手段は、40分だけ二度寝することです。私の場合ですが、これより短くては功を奏しません。これより長いとがっちり二度寝しないと納まらなくなります。これは私に関する「早起きの発見」でした。
もちろん、40分の二度寝が「ちょうどしっくりくる」のは私の体質だからでしょう。
他にも、90分をワンサイクルにするといった話もあります。ただ、90分間にわたって「二度寝」してしまったら、もはや「早起き」にはならないかもしれません。

逆にこんな工夫も考えられます。
早起きの時刻をさらに30分ほど早めてしまい、一度必ず起きてから二度寝するのです。私は一時、夜中の3時頃に、かなり無理をしはしましたが10分ほどかけて、一度完全に起きるという習慣を作り出しました。こうすれば、起きてからまた「二度寝する」という気持ちよさが得られます。しかも起きたときにやや多めに水を飲むことで二度寝後にトイレに起きる気持ちが後押しされます。

自分だけの最後の手段を見つけ出そう

他にもいろいろな対応策があるはずです。習慣化を行いたいことがあるなら、それらと合わせて、どうぞご自身の体質に合った方法を「発見」するべく試行錯誤してみて下さい。
こういった発見が一個あるだけで、習慣化の成功率は体感的に2倍くらいに高くなります。

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著者プロフィール

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■ささき・しょうご
心理学ジャーナリスト。「ライフハック」の第一人者。専門は認知心理学。1997年獨協大学を卒業後、ドコモサービスに入社。2001年米アヴィラ大学心理学科に留学。04年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。05年帰国以来、「効率化」と「心理学」を掛け合わせた「ライフハック心理学」を探求し続けている。
著書にベストセラーとなった『ビジネスハックス』『スピードハックス』などのハックシリーズ(日本実業出版)のほか、『先送りせずにすぐやる人に変わる方法』(中経出版)、『やめられなくなる、小さな習慣』(ソーテック社)などがある。

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