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2019.03.04

自分のココロを守るアイテムを持とう!【ココロノセンタク#4】

KenCoM公式:臨床心理士・小室愛枝

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こんにちは。臨床心理士の小室愛枝です。
今回はちょっと変わった手法をご紹介しましょう。意外に思うかもしれませんが、とても効果的なんですよ。

ココロを守る『お守り』の話

前回は『怒られたのをひきずってしまうとき、どうしよう』、前々回は『人前で話すと緊張します……どうしたらいい?』というテーマで徒然なるままにお話してきました。
『自分のココロと向き合うチャンスだよ』とか、『セルフトーク』してみましょとか、なんとなくアドバイスっぽいことも書いてみました。
とはいえ、
・自分と向き合うも何も、とにかく怒られるの怖くて(だって相手の気分で怒られるし、あれはきっと八つ当たり)、もう仕事休みたくなるくらい嫌なんですよ……。

・いくらセルフトークしても効かないんじゃないかって心配です……今日発表だし、もう不安しかない。

というようなお気持ちになることもまた自然なように思います。そんなときは、『お守り』の力を借りてみませんか。
子どもだましのようですが、これは意外とよく効きます。

ココロのお守りを作ろう!

神社仏閣に参拝して手にするお守りも効果があると思いますが、今日ご紹介するのは、手作りの自分だけの『ココロのお守り』です。

嫌なことを言ってくる人がいるとき、その人の口に戸は立てられませんけれど、自分の中にその嫌な言葉が入ってこないようにはね返してくれるのがこれです。見えない耳栓、とでもいいましょうか。

はね返すので、私は金色の折り紙で作るのが好きです。
でも、どんな色の折り紙でもいいですし、ふつうの紙でもいいです。その日のラッキーカラーでもいいし、ご自分のもともと好きな色でもいいし、何色にも染まらないという意味で黒を選ぶ人もいます。

作り方も決まりはなく好きなふうに折っていいのですが、ポケットに入るくらい小さくなるように折ります。

セルフトークと合わせて気持ちをスッキリさせよう

たとえば「嫌な上司、何を言われても大丈夫」と小さな紙に書いて、細かくちぎり、作ったお守りの中にひとかけらだけ入れるのもいいですね。

残りのかけらはビニール袋に入れて入口をしっかりと手でふさぎ、これまでに言われた嫌な言葉を吹き飛ばすイメージでぶんぶん振り回しましょう。周りに人や物がない広いところでやってくださいね。
そのあとは、捨てちゃいます。もう、今日までの嫌な言葉は吹き飛んでいったのだと自分に伝えましょう。『セルフトーク』ですね。

あとは、作ったお守りをそっとポケットに忍ばせて、出かけるだけです。これで、何か嫌なことを言われても、相手にわからないようにそっとお守りがはね返してくれます。
どのくらい手の込んだものを作るかは、手先の器用さや制作が好きかどうかにも左右されますので、ご自分に合った方法を見つけていかれるといいなと思います。

ご自分で作るのもいいですし、もしお子さんが何か心配なことがあったり、ちょっぴり不安だけどがんばりたいなと思うことがあったりするときは、お子さんに作ってあげてみるのもオススメです。

意外と効き目があるのを実感できるはず

そんな子どもだましのようなこと……と半信半疑になるお気持ち、よーくわかります。私も実際に自分でやってみるまでは、本当に効くの?とちょっと目を細めて疑っていました。
誰にでも必ず効果があるわけではありませんが、困ったとき、どうしようもないとき、すぐ効くものを探しているとき、ぜひ試してみてくださいね。

■過去の記事はこちらから

著者プロフィール

■小室愛枝(こむろ・よしえ) 
臨床心理士・特別支援教育士。早稲田大学で心理学を学んだのち渡米。ボストンでカウンセリングの修士号を取得後、帰国。学生相談室・心療内科等での勤務を経て、現在は乳幼児の発達相談、小学校の巡回相談心理士、NPO法人らんふぁんぷらざ(発達に偏りを持つ子どもと家族のための支援機関)にて乳幼児から大人まで幅広い層の臨床を行っている。共翻訳著に『虐待・DV・トラウマにさらされた親子への支援――子どもー親心理療法――』(日本評論社)がある。

(文/小室愛枝)