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2019.02.08

どのタイミングでどう飲むのがいい?市販薬の正しい飲み方を医師に聞く!

KenCoM編集部

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風邪をひいてしまったけれど病院に行く時間がない、なんて時は市販の風邪薬(以下、市販薬)に頼る人も多いですよね。何気なく飲んでいる市販薬ですが、どういう時に飲んだらいいのか、飲み方で注意すべき点はあるのかなど、細かく知っている人は少ないのではないでしょうか?
そこで、KenCoM監修医の石原藤樹先生に、市販薬にまつわる素朴な疑問をぶつけてみました!

※なんらかの症状を緩和するために処方薬を飲んでいる人は、市販薬を飲む前に必ずかかりつけの医師に相談しましょう。

市販薬、ほんとのところを医師に直撃!

Q1.市販薬の役割は?

A.そもそも大前提として、市販薬は風邪を治すものではなく、あくまで症状を和らげるものです。例えばのどが痛いとかせきや鼻水がでるなどの症状があり、そこまで重症化していない場合は市販薬を飲んでいただいて構いません。

Q2.飲むタイミングは?また、飲んでも治りが悪い場合、どのタイミングで病院に行くべきですか?

A.一般的なウイルスによる風邪の症状は、2~3日ぐらいがピークで、1週間ぐらいで自然に治ることが多いです。なので、ピークの間の症状がつらい場合は、病院に行ってもいいし、和らげるために市販薬を飲んでもいいでしょう。通常の経過とは異なり、1週間ほどで症状が緩和しなかったり、高熱が4日も5日も続いている場合は、市販薬を長く飲むのではなく病院に行くことをおすすめします。

Q3.処方薬と市販薬の違いは?

A.処方薬だから強い、市販薬だから弱いということはなく、基本的に成分の違いはありません。ただ、最近医療機関では、総合感冒薬と呼ばれるいわゆる風邪薬のようなものは出さない傾向にあります。解熱剤とか咳・鼻水止めとかカフェインとか色々な成分を入れている総合感冒薬は、今は市販薬にスイッチしていて、医療機関では鼻水なら鼻水止め、せきならせき止めなど、症状に合わせた薬を単一で出すようになってきています。それはなぜかと言うと、成分が多ければ多いほど副作用が起きたりアレルギーに反応する人の割合が増えるから。また、人によって必要のない成分まで入ってしまっていることも理由のひとつです。なるべくシンプルな成分で症状を抑えるという考え方が広まっています。

Q4.市販薬を飲む際に注意すべき点は?

A.風邪を早く治そうとして用量を守らず2倍・3倍の量を飲む人がいますが、それは危険です。処方薬ももちろんそうですが、必ず用法や用量を守って飲むようにしてください。また、先ほども話しましたが、市販薬には複数の成分が入っていることが多く、ダラダラと飲み続けるのは決していいとは言えません。最長1週間(できれば3日程度)飲んでもあまり症状が改善されない場合は中断し、医師の診断を仰いでください。

Q5.水以外、例えばお茶やジュースで飲んでもいい?

A.ものにもよるのですが、お茶の成分が薬の吸収率に影響したり、果汁の成分が薬の働きを強めたり弱めたりしてしまう場合もあります。もちろんアルコールもNGです。薬の多くは肝臓で代謝されるため、アルコールでさらに肝臓に負荷をかけてしまうのはよくないです。原則は水で飲むのがいいでしょう。ただし、服薬用ゼリーはきちんと専用で開発されたものなので、問題ありません。

Q6.市販薬の消費期限は?また、適した保存方法とは?

A.未開封と開封済みでは違いますが、開封後はだいたい半年程度で飲み切るのがベター。ただし、液体のものは開封したらそこまで長くはもちません。保存方法は、特別に冷蔵保存を推奨しているものでなければ、直射日光を避けて室温で保存しておけばOKです。

Q7.市販薬を飲まない方がいい人はいますか?

A.アレルギー症状やじんましんが出たことがあるなど、過去に服薬したことで具合が悪くなったことがある人は、医師や薬剤師に相談してからの方がいいでしょう。

飲むか飲まないかは、あなた次第!

いかがでしたでしょうか?
市販薬だからといって処方薬より弱いわけではなく様々な成分が入っていること、だからこそきちんと量や期間を守るべきことなどがわかりました。
市販薬を飲むかは、あくまで自己責任。自分の体調を把握しつつ、上手に付き合っていきたいところですね!

(取材・文 KenCoM編集部)

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