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2019.02.04

ダイエットのリバウンドを防ぐにはどうしたらいい?【ココロノセンタク#1】

KenCoM公式:臨床心理士・小室愛枝

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みなさん、こんにちは。臨床心理士の小室愛枝です。今日から“心理学”をテーマにした連載がはじまります。
“心理学”って、なんだかわかるような、わからないような……。日本心理学会HPによると、心理学は「心の科学」とのこと。心の働きだけでなく、行動や無意識なども心理学の対象なんですね。
「ココロノセンタク」では、日常にある風景を切り取りながら、誰にでもよくあるココロのお話をしていきたいと思います。
最初のテーマは、「ダイエットしてもリバウンドしてしまうのをどう防ぐ?」です。どうすればいいのか一緒に考えていきましょう。

リバウンドを防ぐためにスモールステップを活用しよう

ここのところ、「そろそろダイエットをしたいなぁ」「今年こそリバウンドしないダイエットを目指すぞ!」という声をちらほら聞きます。
ダイエットには、栄養を考えた食事と適度な運動が大切。なんていうことは、あっちにもこっちにも書かれているし、ええ、もうじゅうぶんわかっています。それでもなんだかうまくいかないのがダイエット……。

それなりにやっているつもりだけれど続かなかったり、とってもがんばって食事を抜いて体重落ちました!と思ったら、体調を崩したりリバウンドしちゃったり。
そうならないためには、毎日ちょっとだけ食べる量を減らして、毎日ちょっとずつ運動するのがいいって、頭ではわかっているのですけれど。

ちょっとずつ変える仕組みを作る『スモールステップ』

今日は、そんなときに活躍する『スモールステップ』をご紹介したいと思います。
自分の生活リズムや性格、運動能力、体力、いろ~んなことを含めて思いをめぐらせながら、「自分にとってのスモールステップ」は何か、ちょっぴり丁寧に考えてみませんか?

たとえば、食事調整のスモールステップは、こんなふうに探してみます。

①食べたものを記録する(1〜3日目)

食事のほかに、アメ・ガム・チョコ、それから、飲みものも……。なんでも、口にいれたものを書き出してみましょう!
あまり長い期間だと続かないので、3日間分くらいでいいと思います(これもスモールステップですね)。

②1日あたりひとつだけ、減らせそうな食べものを見つける(4日目)

4日目は小休止。3日間の記録をふり返りましょう。減らせそうな食べもの、飲みものを探します。あれもこれも減らすのではなく、1日あたりひとつだけ。
減らしたいものよりは、『確実に減らせるもの』を探すといいですね。

スモールステップで大切なのは、『必ず達成できるステップ』を選ぶことです。
たとえばアメ1つとか、砂糖入りカフェラテ1杯(の中の砂糖→つまり、砂糖なしのカフェラテに置き換える)とか。

え?それだけ?と思うくらいがスモールステップにはちょうどよかったりします。

③減らすと決めたものを摂取しない(5~7日目)

あとはもう決めたものを摂取せずに過ごすだけです。3日間砂糖入りカフェラテを飲まずに過ごすのでもいいですし、砂糖を入れずに飲むというのもいいですね。3日間のうち2日間は移動中に食べるチョコレートをやめる、でもいいと思います。

振り返ることで、効果アップ

これで1週間のスモールステップができあがり。
8日目にまた3日間をふりかえってみましょう。これは食べないぞ、飲まないぞと決めた目標を達成できていたら、同じ目標でもう1週間過ごしてみるといいと思います。

できたら、また①~③を繰り返していくとよさそうです。適度な運動、も同じですね。
たとえば一駅歩くことがスモールステップになる人もいれば、ならない人もいます。一駅歩くのにけっこうがんばらないといけないなという人は、電車の中で立つ、席が空いても座らない、ということから始めたっていいのです。エスカレーターに乗らずに階段にするというのでもいいですね。

細かさ、小ささは自分で決めましょう

スモールステップのサイズは人それぞれです。他の人に合わせて決めなくて大丈夫です。
必ず達成できる自分だけの『スモールステップ』、ぜひ探してみてくださいね。

著者プロフィール

■小室愛枝(こむろ・よしえ) 
臨床心理士・特別支援教育士。早稲田大学で心理学を学んだのち渡米。ボストンでカウンセリングの修士号を取得後、帰国。学生相談室・心療内科等での勤務を経て、現在は乳幼児の発達相談、小学校の巡回相談心理士、NPO法人らんふぁんぷらざ(発達に偏りを持つ子どもと家族のための支援機関)にて乳幼児から大人まで幅広い層の臨床を行っている。共翻訳著に『虐待・DV・トラウマにさらされた親子への支援――子どもー親心理療法――』(日本評論社)がある。

(文/小室愛枝)