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2018.08.29

脂肪肝っていったいなに?【身近に潜む病気『脂肪肝』を斬る!#1】

KenCoM公式:ライター・緒方りえ

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いつの間にか肝臓に潜む病気、脂肪肝。日本での患者数は2000万人、成人の約30%が脂肪肝になっていると言われ、身近な病気として注目されています。とはいえ、どんな病気なのかはなかなか知られていません。脂肪肝とはどんな病気なのでしょうか。
自分はお酒を飲まないから関係ない?痩せ型だから安心? いやいや、油断は禁物です。その理由については、後ほどご説明しましょう。

今回お話をしてくださったのは、新百合ヶ丘総合病院の消化器・肝臓病研究所所長の井廻道夫先生です。

井廻道夫(いまわり・みちお)先生

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新百合ヶ丘総合病院 消化器・肝臓病研究所 所長

【プロフィール】
1972年東京大学医学部を卒業。1991年東京大学医学部第三内科助教授に就任。1993年自治医科大学消化器内科教授に就任。2003年昭和大学医学部第二内科教授に就任。2008年昭和大学医学部内科学講座消化器内科学部門教授に就任。2012年自治医科大学名誉教授に就任。現在は新百合ケ丘総合病院消化器・肝臓病研究所所長として活躍。日本内科学会認定内科医・指導医、日本消化器病学会認定消化器病専門医・指導医、日本肝臓学会認定肝臓専門医・指導医。モットーは患者さんには優しく接し、最高の医療を提供すること。

こんな人は要注意!あなたに潜む脂肪肝

脂肪肝に限らず自分には関係ないと思っていた病気でも、調べてみると実はリスクがあったりするものです。
そこで、まずは脂肪肝リスクのセルフチェックをしてみましょう!

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いかがでしたか?
1つでも当てはまった人は、脂肪肝を身近に感じて予防と改善を行う必要があります。ここから先の記事には自分でできることのアドバイスが書いてあるので、ぜひ実践してみましょう。もちろん、当てはまらなかった人もしっかりと知識をつけて予防することが大切です。

脂肪肝になるメカニズムとは

脂肪肝とは、読んで字のごとく脂肪と肝臓が関係していそうです。まずはこの2つの関係について学びましょう。ここからは井廻先生に解説していただきます。

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人間が生命を維持し、身体を動かすためのエネルギーの1つとして脂肪酸があります。脂肪酸に対する肝臓の役割は以下を参考にしてください。

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これらの処理のバランスがうまくいかなくなり、肝臓に中性脂肪が溜まってしまった状態を脂肪肝と言います。

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身体を動かすエネルギーとして使い切れなかった中性脂肪があると、皮下や内臓などに溜まってオーバーフローしてしまい「エネルギーとして使わないなら、とにかくまた肝臓に持って行ってなんとか処理するしかない!」と、どんどん肝臓へと戻り集められます。
このような理由で、消費しきれなかった分の中性脂肪はそのまま肝臓に溜めておくしかない状況になるのです。

脂肪肝の秘密に迫る!

ここまでの説明で、脂肪肝の仕組みについてはご理解できたでしょうか。続いては、脂肪肝の特徴について学びましょう。

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通常の脂肪量は正常であれば3〜4%です。
5%〜10%だと軽度の脂肪肝になっていてもエコーでは見えづらく、人によっては10%以上で脂肪肝と診断されます。
そして30%を超えると中等度・高度の脂肪肝と診断されます。

脂肪が溜まることで、フォアグラのような状態になってしまう。

脂肪が溜まることで、フォアグラのような状態になってしまう。

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1番の原因は食べ過ぎによるエネルギー過多で、肥満と関係しています。
少々食べ過ぎても、太っていても、肝臓に脂肪があまり溜まらない人も居ますが、体質的に肝臓の処理能力が落ちてしまっている場合はちょっとした量でも脂肪が溜まってしまいます。必ずしも肝臓全てに障害が起こるわけではありませんが、脂肪そのものが溜まることによって干渉が起きてきます。
栄養の供給と処理のバランスが大切なのです。

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日本の成人男性のうち40%、成人女性のうち20%が脂肪肝だと言われています。女性の方が食事や生活を注意している人が多いということや、体重差にもよります。また、女性ホルモンには抗脂肪化作用があると言われていて、女性ホルモンが減る更年期以降は脂肪肝になりやすくなるとも考えられます。

食べ過ぎず、ちょっとの我慢が予防策

脂肪肝は、身体が欲しがっているエネルギー以上の脂肪を摂取した時に起こります。40代以降は代謝が低下する年頃、油断はできません。

次回は、「脂肪肝に良いこと・悪いこと」についてご説明します。

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著者プロフィール

■緒方りえ(おがた・りえ)
1984年群馬県生まれ。20代から看護師として活動をする傍ら、学会への論文寄稿や記事の作成なども行う。2015年独立しフリーの編集者として活動。2017年より合同会社ワリトを設立し代表社員に就任。医療系を中心に、旅行、雑貨など幅広いジャンルでフリーライター、フリー編集者として活動中。

(撮影/KenCoM編集部 取材・文/緒方りえ)