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2018.08.23

テントウムシから学ぶ!世界中で愛されるワケ【本能の処世術#9】

KenCoM公式:心理学者・内藤誼人

動物や昆虫は人間と同じように、群れのなかでのコミュニケーションがうまいものほど、出世をしたり、得をしています。

彼らが本能的に行っているスキルは、ビジネスパーソンにもぜひ身につけていただきたい目からうろこのテクニックばかり!というわけで、生き物が大好きな心理学者の内藤誼人が、彼らの行動と学びたい処世術のポイントを心理学的観点で説いていきます。

テントウムシから学ぶ!愛される条件

イラスト/今井ヨージ

イラスト/今井ヨージ

テントウムシは「幸福のシンボル」として、世界中で好かれている昆虫です。

イギリスでは「聖女のムシ」、フランスでは「神さまのムシ」、ドイツでは「マリアのムシ」、トルコではその姿がモスクの屋根の形に似ているとして「モスク寺院虫」などと呼ばれて親しまれているんですよ。

テントウムシは愛らしくてかわいいと思いますよね。見つけると「あ!テントウムシだ!」とつい思ってしまうほど。その理由はなぜかというと、その形が「マル」だからです。

おいおい、そんな単純な理由かい!とツッコミが入りそうですが、人間ならば丸顔の人ほど、実は得をしているんです。

人気キャラクターは「丸」で出来ている

国民的な人気キャラクターを思い浮かべてみてください。ほとんど丸みを帯びているか、丸そのものを組み合わせたものが多いですよね。

丸などの曲線は柔らかくて優しい印象を与え、逆に直線は男性らしさや武骨さというイメージを持つため、キャラクターは丸をベースにすることで人に好かれやすい印象を高めることができます。

また、人間の赤ちゃんはなぜまん丸としているのか、その理由のひとつに親が可愛いと思って育てるためだという説もあります。そんな説も上がるほど人は「丸」に惹きつけられるのです。

本当に丸顔は人気があるのか!?

アメリカのブランダイス大学レスリー・ゼブロウィッツという方が、人の魅力を測る実験を行いました。

被験者に選ばれたのは高齢の男女。彼らに17歳、31歳、56歳、62歳時点の顔写真を持ってきてもらい、それを大学生に見せて魅力に思った写真はどれかを聞いたというものです。

その結果、男性も女性も若いうちのほうが魅力が高かったのです。一見当然の結果に思えますが、見方を変えると若い時のほうが丸い顔をしていて、年齢を重ねるほど顔立ちが崩れてくると、魅力が劣るとも言えそうです。

さらに男性にしろ、女性にしろ、四角顔や三角顔の人よりも丸顔が魅力的だという結果になりました。

ビジネスならばネクタイは水玉柄に!

丸が人を惹きつけるということをビジネスシーンに置き換えるならば、身に着けるものも「丸」を選びましょう。

例えば、ネクタイならばストライプよりも水玉柄。営業には丸顔を採用するなども手かもしれませんね!

参考文献

Zebrowitz, L. A., Olson, K., & Hoffman, K. 1993 Stability of babyfaceness and attractiveness across the life span. Journal of Personality and Social Psychology ,64, 453-466.

<監修者プロフィール>

■内藤誼人(ないとう・よしひと)先生
心理学者。立正大学講師。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程修了。心理学者として執筆や、メディア出演、企業講演などで活躍中。執筆した著書には『ベンジャミン・フランクリンの心理法則』(ぱる出版)、『図解 身近にあふれる「心理学」が3時間でわかる本』(明日香出版社)など多数。歯に衣着せぬ巧みなトークで周囲を明るくしてくれる。大の昆虫好きで、休みの日には山に入って昆虫採集をするのが楽しみなのだとか。

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