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2018.07.19

服の汗ジミ&ニオイをズバっと綺麗にする洗濯術 ①洗濯表示と洗剤

KenCoM編集部

汗やニオイが蓄積しがちな夏の衣類。そして洗濯頻度も多いからか、ヨレやすく服が傷んでしまっているような……?

そんな夏ならではの衣類の悩みを解決するために、洗濯洗剤メーカーとしても知られるライオンのお洗濯マイスターである大貫和泉さんに、衣類に残る汗とニオイをズバッ解消する方法から、洋服を型崩れしにくくする洗濯方法まで伺ってきました。

大貫和泉(おおぬき・いずみ)さん

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ライオンお洗濯マイスター/消費生活アドバイザー/繊維製品品質管理士/健康予防管理専門士

洗濯用洗剤などの製品開発・調査に約20年携わる。また、2児の母親としての経験と研究活動を融合し、日々のお洗濯に役立つ情報をお伝えている。

洗濯する前に絶対知っておくべきこと2つ

1 【重要】洗濯表示をチェックするべし!

大貫さん「まず汚れた衣類を洗うのに一番大切なのは、洗濯表示の確認です。

その服が自宅で洗えるのかどうかや洗い方を確認してほしいんですね。

実はこれができていない方がすごく多いんです。それによって、大切な衣類にヨレやシワができたり、縮みや、色あせの原因にもなります」

まず覚えるべき洗濯表示はコレ!

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大貫さん「2016年12月から洗濯表示が新しく変わっています。必ず覚えてほしいのは、家庭で洗濯ができるかどうかのマークです。

上のイラストと同じ洗濯マークがあれば自宅で洗えます。しかし、ここに×が付いていると、自宅で洗えない衣類ということになります。

自宅で洗えないものを無理に洗ってしまうと、シワや型崩れ、生地の傷みにつながります」

2 洗濯機の「洗濯コース」はマークで使い分けよう!

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大貫さん「自宅で洗濯ができるマークは、全部で4つあります。

そのうち桶の下に棒がないものと、棒1本のものは標準コースで洗えます。

棒が2本のものは、弱流水コース(またはドライコースなど。※洗濯機のメーカーによって表現が異なります)の優しい力のコースで洗ってください。

手洗いマークが付いている衣類でも、最近の洗濯機だと弱流水コース等で洗える場合もあります。洗濯機の取り扱い説明書を確認してくださいね」

大切な衣類は洗剤も使い分けるべし!

大貫さん「昔は綿(コットン)一辺倒だったアイテムも、最近ではこだわった素材や縫製、デザインのアイテムも増えてきています。実は、洗濯表示に合わせて洗い方の強さだけではなくて洗剤も変えるべきなんです!」

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幅広い汚れに効く!一般衣類用洗剤

大貫さん「綿や合成繊維などで出来ているタオルや下着、靴下など、標準コースで洗う衣類には一般的な洗剤を使います。粉末タイプと液体タイプに分けられますが、それぞれの特徴や好みに合わせて選んでいただければと思います」

★特徴(粉末)

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・皮脂、ドロ、食べ物汚れなど幅広い汚れに適している。

★特徴(液体)

・皮脂やニオイの汚れの洗浄力に優れている
・抗菌効果があるものがある
・衣類に直接塗布できて効果を最大限に引き出せる

大切な衣類はコレ!おしゃれ着用洗剤

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大貫さん「おしゃれ着用洗剤の一番の特徴は、弱流水コースや手洗いの弱い力でもしっかり汚れを落としてくれる点です。さらに、昨今では素材や縫製、デザインにこだわったアイテムが多いのですが、そういったものの型崩れや洗濯中の色あせなども防いでくれる成分が入っているんですよ」

★特徴

・弱流水(弱い力)コースでもしっかり汚れを落とす
・型崩れを防ぐ
・素材を傷めずに洗える
・色あせを防止する
・毛玉やテカリを防止する

洗濯の漂白剤は“液体酸素系”を選んで!

大貫さん「それから、衣類を白くしてくれるのに役立つ漂白剤についても触れておきますね。

漂白剤は、汚れの色素を分解するものですので、汚れそのものをしっかり落とす洗剤と一緒に使用します。

また、一般的に漂白剤には種類があり、塩素系と酸素系の2つに分けられます。衣類の洗濯用には酸素系漂白剤を選びましょう!」

★塩素系漂白剤の特徴

アルカリ性。素材のすべてを真っ白に変えてしまうもの。そのため色柄物には使えない。また作用が強いため、物によっては素材を傷めてしまうこともある。

★酸素系漂白剤の特徴

弱酸性。液体系酸素漂白剤は、ウール素材や色柄などにも使えるタイプで、衣類用漂白剤として最適。

こんなに違う!洗い分けの効果!

大貫さん「ここまで、選ぶべき洗濯のコース(強さ)と、洗剤の使い分けについてお伝えしてきました。ここで実際に、『通常コース×一般洗剤』で洗ったものと、『弱水流コース×おしゃれ着用洗剤』で洗ったものを比較してみましょう。その差は歴然ですよ」

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大貫さん「ひとつはカットソー、もうひとつはワンピースで比較してみます。

ともに左側が『弱水流コース×おしゃれ着用洗剤』で洗ったもの、右側が『通常コース×一般洗剤』で洗ったものです。

カットソーのほうは明らかに右側のほうが縮んで小さくなっていますよね。首元、袖、丈と全体的に小さくなってしまいました。
しかも洗った回数はたった数回程度。それだけでこんなに差が出てしまうんです。

また、ワンピースは『おしゃれ着用洗剤×弱流水コース』で洗った左側は、アイロンをかけなくてもシワが少なく、襟元もヨレにくいという結果に。これならば、服へのダメージも軽減でき、アイロンをかける手間も省けますよ。

逆に言えば、正しい洗濯の強さと洗剤選びができれば、アイテムの状態を長くキープすることができます」

次は、いよいよ洗い方を伝授!

ここまでは、衣類の洗濯の基本となる「洗濯マーク」と「洗濯の強さ」、「洗剤の使い分け」について教えていただきました。次の記事はいよいよ実践編!汗やニオイ、黄ばみを落とすための具体的な洗い方のポイントを教えていただきます!

(撮影・取材・文/KenCoM編集部)

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