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2018.07.05

情けは人のためならず!助けた人はここぞというとき救われる【本能の処世術#2】

KenCoM公式:心理学者・内藤誼人

イラスト/今井ヨージ

イラスト/今井ヨージ

昆虫や動物も人間と同じように、群れのなかでのコミュニケーションがうまいものほど、信頼されたり、得をしています。

彼らが本能的に行っているスキルは、ビジネスパーソンにもぜひ身につけていただきたい目からうろこのテクニックばかり!というわけで、生き物が大好きな心理学者の内藤誼人が、彼らの行動と学びたい処世術のポイントを心理学的観点で説いていきます。

コウモリから学ぶ!助け合いの精神

コウモリは群れで生活をしていて、人間同様、社会性のある動物だと言われています。

彼らは、48時間から60時間ごとに新しい血液をとらないと餓死してしまう性質があるのですが、飢え死にしそうな仲間がいると、自分が体内に備蓄している血液を分け与えるのです。

映画や物語のためにダークで冷酷なイメージを持つコウモリですが、その実とっても仲間想いな動物なわけです。

ただし、手を差し伸べるのは、以前に困った仲間を助けたことがあるコウモリにだけです。他のコウモリを助けていない冷たいコウモリは、助けてもらえずに餓死してしまいます。

困っている人を助ければ、自分もいつか助けてもらえる

コウモリの“恩を忘れずに助け合う”生態は、人間にも当てはまります。

例えば、職場で困っている人を助ければ、助けられた人は「何かあったら次はこちらが助けよう!」という気持ちが自然と芽生えるものです。しかし、逆に困っているときに何もしてくれない人には、そんな気持ちは1ミリだって沸き起こりません。

「仕事が多くて自分ばかりが損をしている気がする」とか「周りにはできない人ばっかりだ」などと思うのではなく、少しでも余裕があるならば迷わず困っている人に手を差し伸べましょう。周りはあなたが思っている以上にあなたのことを見ていますよ。

職場では思いやりと協力することを大切に

コウモリのように社会性のある動物から学ぶ、助け合いの精神。

当たり前のことのように思えますが、意外とできていない人も多いのではないでしょうか?

ビジネスパーソンにとって職場という名のチームがあるのであれば、そこでの円滑なコミュニケーションのためにも、相手からの行為を待つのではなく、まずは自分から思いやりを見せることが大切です。

孤独を感じていたり、誰も助けてくれない、自分ばかり仕事が多いと感じている人は、まずはちょっと立ち止まって自分の行動から振り返ってみませんか?

参考文献

ドガトキン,L.(春日倫子訳)2004『吸血コウモリは恩を忘れない』(草思社)

▼「本能の処世術」記事一覧はこちら!

<監修者プロフィール>

■内藤誼人(ないとう・よしひと)先生
心理学者。立正大学講師。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程修了。心理学者として執筆や、メディア出演、企業講演などで活躍中。執筆した著書には『ベンジャミン・フランクリンの心理法則』(ぱる出版)、『図解 身近にあふれる『心理学』が3時間でわかる本』(明日香出版社)など多数。歯に衣着せぬ巧みなトークで周囲を明るくしてくれる。大の昆虫好きで、休みの日には山に入って昆虫採集をするのが楽しみなのだとか。

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