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2018.07.03

緊張すると顔が赤くなる&震えるのはなぜ?【カラダの不思議#2】

KenCoM編集部

眠くなるとあくびが出る、お腹がすくと「グー」と鳴るなど、誰もが日々体験している当たり前の生理反応。しかし説明しようとしても、これができないんですよね?!というわけで、科学的な根拠を元に生理反応を解説する本連載が「カラダの不思議アルアル」です。解説していただくのは、KenCoM監修医の石原藤樹先生。

第二回目は、緊張すると顔が赤くなったり、身体が震える理由とは?早速見ていきましょう。

緊張すると顔が赤くなったり、身体が震えるのはなぜ?

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顔が赤くなる理由は科学的にまだ解明されていない!

石原先生「顔が赤くなるのは、赤面症と言われています。心理的な側面もあり、緊張したり恥ずかしいことをしてしまったなど、本人にとって明らかに大きく望ましくない状況になると起こる現象です。

顔の血管はとても柔軟にできていて、皮膚のすぐ下には毛細血管と静脈が走っています。それが瞬間的に拡張する機能を持っているため、身体の他の場所よりも瞬間的にバッと変化が出やすいんです。

自分にとって嫌なことがある(=交感神経が優位な状態)になると、血管が一気に拡張します。しかし、なぜそうなるかというのは実は完全には解明されておらず、昔から謎だと言われています」

手足が震えたり、汗が出るのはどうして?

石原先生「これはまさにストレスによって交感神経が優位になっている状態になると起こる現象です。

実は全身に対して作用しているものなのですが、手や足は関節も多く、身体の変化に敏感で震えやすい場所です。それゆえ、緊張すると手先や足が震えるという現象が起きやすい。人によっては声が震えたり、鼓動が激しく鳴ったりする人もいて、個人差があります」

赤面や震えを抑えるには、複式呼吸と朝食が有効!?

石原先生「気持ちをコントロールすることで一定の効果がありそうです。例えば、複式呼吸(深呼吸)をしたり、朝食をとるようにすると副交感神経(=リラックスしているときの状態)が働きやすくなるとも言われていますので、緊張する場面の前には意識して行いたいことです。

どうしても抑えたいという場合は、交感神経を抑えるための安定剤を使うこともありますが、確実に効果を発揮するものではないし、推奨されてもいませんので、おすすめはできません」

緊張したらまずは心を落ち着かせよう

日進月歩、医療が発達し続けている現代においても、当たり前だと思われている現象の理由がいまだに解明されていないということは、まだまだあるようです。それでも、効果が期待できるのであれば、試してみない手はありません。

みなさんも、プレゼンや講演などの緊張してしまうシーンがあるならば、朝食をとったり、深呼吸を意識的に行ってみてはいかがでしょうか?少しでも緩和してパフォーマンスアップをはかりましょう!

次回予告

次回は、これからの季節の大敵「蚊に刺されて赤くはれてしまう理由と、早く治す方法」をご紹介します。

お楽しみに!

<監修医プロフィール>

■石原藤樹(いしはら・ふじき)先生
1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。2015年8月六号通り診療所を退職し、北品川藤クリニックを開設、院長に就任。著書に「誰も教えてくれなかったくすりの始め方・やめ方-ガイドラインと文献と臨床知に学ぶ-」(総合医学社)などがある。
・略歴
東京医科大学地域医療指導教授/日本プライマリ・ケア連合学会会員/医師会認定産業医/医師会認定スポーツ医/日本糖尿病協会療養指導医/認知症サポート医
・発表論文
-Differential metabolic requirement for initiation and augmentation of insulin release by glucose: a study with rat pancreatic islets. Journal of Endocrinology(1994)143, 497-503
-Role of Adrenal Androgens in the Development of Arteriosclerosis as Judged by Pulse Wave Velocity and Calcification of the Aorta. Cardiology(1992)80,332-338
-Role of Dehydroepiandrosterone and Dehydroepiandrosterone Sulfate for the Maintenance of Axillary Hair in Women. Horm. Metab.Res.(1993)25,34-36

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