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2018.07.13

ニオイは種類別に対処せよ!大人のための体臭対策講座

KenCoM編集部

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前回の記事では、ニオイのスペシャリストである甲田大介さんに、自分のニオイを気にしている人が多いという事実や、ニオイ性質について教えてもらいました。

今回は、体臭をケアするために有効な手段についてお伝えします。

実は、ニオイには種類があり、それぞれ対策することが有効なのだとか。

甲田大介(こうだ・だいすけ)さん

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IoT技術で社会を良くする事業を開発するために、2015年、コニカミノルタBIC(ビジネスイノベーションセンター)へ入社。体臭を数値化するデバイス「Kunkun body」のインキュベーションリードとして活躍し、体臭についての知見を深める。オープンイノベーション、産学連携を推進し、世界初の商品をわずか2年弱でリリースしたことで話題を集めている。

体臭は種類別に対策を!

―ニオイには、どんな種類があるのでしょうか?また、対策方法も教えてください!

甲田さん「大きく分けて3つに分類され、それぞれ成分や発生する身体の場所、臭い始めてくる年齢層が異なります。これは、男性だけではなく、女性も同様!

ニオイの種類と、それに適した対策方法をご紹介していきます」

イラスト提供:コニカミノルタ

イラスト提供:コニカミノルタ

ミドル脂臭

乳酸を含んだ、頭と首の「汗×皮脂」

【特徴】
使い古した油のようなニオイ。30~40代に発生しやすい。発生場所は、主に後頭部や首筋の後ろ。

【原因】
汗に含まれる乳酸が、皮膚にいる菌を分解することで、ジアセチルという成分が発生。これと皮脂に含まれる中鎖脂肪酸のニオイが合わさり、ミドル脂臭になる。

▶対策方法:後頭部から首筋の後ろをよく洗う!

甲田さん「ミドル脂臭は、後頭部や首の後ろからニオイを発生させています。そのニオイの元となる箇所をよく洗うことが大切です。そして男性だけと思われがちですが、女性も同様です。

まず、髪は乾いた状態でブラッシングをしておくと頭皮の汚れが浮き上がりやすくなります。次にお湯でさっと洗い流しましょう。それからシャンプーをつけて、手の指を使って頭皮をマッサージするように洗うとより効果的です。

また、首の後ろを洗うときは、せっけんやボディーソープをよく泡立て、その泡を首や耳の後ろに泡でパックをするようにしてしばらくつけておきます。皮脂や汚れを浮き上がらせることができますよ。あとはシャワーでさっと流して清潔なタオルでふきましょう」

▶NG行動:髪の毛を生乾きのままにする

甲田さん「シャワーを浴びた後、髪の毛を生乾きのままにするのはやめましょう。生乾きの髪の毛はニオイを吸着しやすいためです。洗髪後は、必ずしっかりとドライヤーで乾かすように意識してください」

加齢臭

自分では気づかない!皮脂腺の中で酸化した脂質

【特徴】
枯草のようなニオイと表現されることが多い。40代半ば頃から目立ち始める中高年特有のもの。発生場所は、頭、耳の後ろ、背中。自分では気が付きにくい。

【原因】
皮脂の酸化によるもの。年齢を重ねると、肌の潤いを保つために皮脂を分泌する皮脂腺の中にあるパルミトオレイン酸と過酸化脂質が増えていく。それが肌表面に出てくることで、空気と触れて分解・酸化され、ノネナールという成分に変化する。このノネナールが加齢臭の正体。

▶対策方法:ビタミンCやEを含む、野菜や果物を食べる!

甲田さん「加齢臭の成分であるレネナールのもとになるのは脂肪酸と過酸化脂質ですが、この過酸化脂質は体内の活性酵素が増えると同時に増加してしまいます。しかし、ビタミンCやEを含む野菜や果物をとることで、活性酵素の増加をある程度抑えることができるのです。どうしても食事でとるのが難しい場合は、サプリメントで補うのも手です。

他にも、赤ワインに含まれるポリフェノールや緑茶のカテキン、大豆のイソフラボン、ゴマのセサミノールという成分も効果的だと言われています」

▶NG行動:ストレスを溜めこむ

甲田さん「ノネナールを作り出す成分のひとつである過酸化脂質は、活性酵素の増加によって増えるとお伝えしました。その活性酵素を増やしてしまう一番の原因が、ストレスです。また、人はストレスを感じて汗をかくと、アンモニアが発生して、酸っぱいニオイが立ち込めてしまいます(疲労臭とも言う)。

適度に運動をしたり、自分の好きなことに打ち込むなどして、上手にストレスを発散することも加齢臭の抑制につながりますよ」

汗臭

汗と皮脂を雑菌が食べることで臭う

【特徴】
酸っぱいニオイ。汗をかきやすい脇周辺が主な発生源。新陳代謝が活発な20代に多い。

【原因】
全身にある汗腺であるエクリン腺から出た汗と、脇など一部の場所に存在するアポクリン腺から出た汗、そして皮脂が皮膚の表面でまじり合うと、皮膚上にいる常在細菌が、これをエサとして代謝・分解して増殖します。この代謝・分解した後の排出物が汗臭のニオイ。

ただし、汗と皮脂が混ざっただけの状態ならばニオイは発生しない。

▶対策方法:制汗シートや濡れタオルですぐにふき取る!

甲田さん「ニオイの一番の原因は、肌表面の雑菌です。汗自体にはニオイはありませんので、汗をかいたらすぐにふき取りましょう。ただし、乾いたタオルでは雑菌や皮脂がきちんとふき取れないこともあるため、制汗シートや濡れタオルを使うことをおすすめします」

▶NG行動:化学繊維素材の服を着る

甲田さん「例えばナイロンやポリエステルなどの化学繊維を使用した服は、衣類内の湿度を高めてしまうため汗が乾きにくくなります。最近では高性能なものもあり、通気性や速乾性に優れたものもありますが、そうではないものは避けたほうがよいです。汗が乾きにくいということは、その分雑菌に多くのエサを与えてしまうことになります。

なるべく薄手の服を身につけましょう。できれば下着は、吸水性や速乾性のある素材を使ったものを選べたらベターです」

これも気を付けたい!ニオイを吸着した服の消臭!

―すぐに汗を拭くことができず臭くなってしまった、そんな時の解決法はありますか?

甲田さん「ニオイの発生箇所を清潔にするのはもちろんですが、衣類の消臭にも目を向けましょう!一度ニオイを発してしまうと、衣類がそれを吸着してしまうために、さらにこもっていくからです」

柿タンニン入りの消臭アイテムに注目!

甲田さん「中でも“柿タンニン”成分が入った消臭アイテムは優秀です。悪臭成分を別の成分に変える役割を果たしてくれたり、殺菌効果が非常に高いことも認められているんです。

私も、柿タンニン入りの小さな消臭スプレー(スーツ用)を常にジャケットのポケットに忍ばせていて、汗をかいたあとの脇や、気になる首元などに適度に振りかけるようにしていますよ。嫌なニオイがさっと消えるので重宝しています」

ニオイケアは今すぐに対応できる!

いかがでしたでしょうか?ニオイの種類別のケアは、どれも簡単にできるものばかりですよね。

自分のニオイは、鼻が慣れてしまっているためにわかりにくくなっています。

毎日の習慣として、正しいニオイケアをはじめてみませんか?

(取材・文・撮影・KenCoM編集部)

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