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2018.05.11

適切な目標+αでやる気に火をつけよう!

KenCoM編集部

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「なんにもやる気が起きない」、誰しもが経験したことのあるそんな状況ですが、そもそも「やる気」ってなんなのでしょうか?
その疑問にKenCoMで大人気連載中の『働く人のポジトレ』を執筆している心理学者・内藤誼人先生にお話を伺いました。
やる気とは何か? なぜ突然無くなるのか? どうしたらやる気を出せるのか? そんな疑問にお答えします。

やる気とは向かう対象があってこそのもの

やる気には2種類ある

やる気とは心理学的にいうと動機のことを指します。これには2種類あって、1つめは面白いとか、楽しいとか、自分の内側から出てくる内的動機、もう1つは「給料あげるからやって」など外から来る外的動機です。
どちらにも共通して言えるのは、何に対する「やる気」なのかと言うのが重要になります。しかも、それが明確であるほど強く働きかけるわけです。

受験生なら「とにかく大学に行きたい」という人と、「◯◯大学、××学部に行きたい」と具体的に絞っている人では後者の方が絞り込みができているので、勉強のやる気が変わってきます。社会人なら、漫然とお金持ちになりたいから働く、ではなく、こういう家を建てたいから働くのように対象を明確にすることで簡単にモチベーションを上げられるのです。

「最近やる気がない」という方は、「何に対しての?」ということを意識してみましょう。

やる気が出ないのは社会が発展しているから?

やる気が出なくてもいいじゃないか、と思う方もいるかもしれませんが、そのままの状態が続くと怠惰になっていきます。
これは動物がなぜ動くのかを考えてみるとわかりやすいでしょう。彼らには「餌を確保しないと死んでしまうから、獲物を獲ろう」という確固とした目標があるので行動するわけです。逆に言えば、餌を取る時以外は昼寝などをして休んでいることが多いのです。
そのため、動物園に飼われている動物たちは、餌の時間以外、全く動きません。動く目的も、必要もないからです。

人間も動物の仲間ですから基本原理は同様です。〜したいという欲求があれば動きますが、なければ動けません。ところが今の社会は働かなくてもすぐに生命の危機につながるようなケースは少なくなっています。
そうなると、動物園に飼われているのと同じで、やる気が出せず、怠惰になっていきます。できるだけ欲求を持って行動するようにしましょう。

5月病は期待しすぎから生まれる

ちなみにこの季節に多い5月病は、心理学の「ハネムーン効果」のようなものです。ハネムーン効果とはよく転職した人に使うものです。転職したては会社や仕事への期待が高まりますよね。しかし、しばらくするとその期待が現実にぶつかって失望に変わってしまいます。こうした落差によって心にダメージを受けてしまうのです。
日本では特に4月から5月にかけて、就職や進学など新しい環境に飛び込む人が多いため起きやすい傾向があります。あまり新しい環境に期待をしないというのも回避する方法の1つですが、なかなか難しいもの。そこで、次回に紹介するような方法を試して、やる気を出し、失望感を減らすのも手でしょう。

やる気に目標は不可欠!

やる気の出所や、出すのに必要な要素はわかってきました。
ですが、どうコントロールすればいいのかは迷うところです。

そこで次回は心理学的に「やる気」を高める方法を2つご紹介します。

■次回記事はこちらから

監修者プロフィール

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■内藤誼人(ないとう・よしひと)先生
心理学者。立正大学講師。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程修了。心理学者として執筆や、メディア出演、企業講演などで活躍中。執筆した著書には『すごい!モテ方』(廣済堂出版)『ビビらない技法 やさしいあなたが打たれ強くなる心理術』(大和書房)など多数。歯に衣着せぬ巧みなトークで周囲を明るくしてくれる。

(取材・文/KenCoM編集部)

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