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2018.04.29

やってしまった!仕事でミス!信頼はどう回復する?【働く人のポジトレ#5】

KenCoM公式ライター:横山博之

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働く社会人たちの強い味方!数々の心理テクニックを熟知する心理学者の内藤誼人先生が、ストレスにさらされている働く人たちの悩みを解決に導く本連載『働く人のポジティブメンタルトレーニング』、略して「ポジトレ」。

今週は、「仕事で大きなミスをしてしまったときの対処法」。早速お悩みを紹介していきます。

今週のお悩みはコレ!

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■お悩み
「仕事で大きなミスをしてしまい、同僚や上司からの信頼を失ってしまいました。どうしたら回復できますか?」

内藤先生:「ミスは、好感度を上げる大チャンスです!」

ミスはしないに越したことはありませんが、ちょっとした不注意から失敗を招いてしまうのは、人間なのだから仕方がありません。生まれてから一度もミスをしたことのない人間は存在しないでしょう。

それはいいんです。大切なのは、どう謝罪するか。

むしろ、ミスはチャンスですよ!誠実な対応をすれば、人は好感を得るものなんですから。

3回謝る!これがポイントです

それでは具体的にどう謝るのか、それは3回は謝ることです。

1回目は、ミスをした直後。迷惑をかけた相手に、すぐ「申しわけありませんでした」と謝りましょう。
2回目は、間を置かずに翌日。「昨日の件では、ご迷惑をおかけして……」と謝りましょう。
3回目は、数日か数週間おいてから。「先日は……」と三度謝りましょう。

回数を重ねることで、あなたがミスを悔いていること、忘れずにいることを相手に刷り込ませられます。そうすると「義理堅いやつだ」と、かえって好感を得ることができるんです。

謝罪の方法は、できれば直接対面するのが望ましいですが、メールや手紙もあり。念には念を入れることが大切です。

言い訳をすると相手はイラっとする

絶対にやってはいけないのが、言い訳です。

南カリフォルニア大学のピーター・キムという方がある実験をしています。キム氏は、“とある税理士が税の還付金の書類を間違えて作成した”という話を創作。その上で、その税理士が相手に伝えた言葉を2つに分けました。

ひとつが「すみません、前に務めていた会社のやり方をやってしまって、ミスをしてしまいました」。

もうひとつが、「すみません、二度とこのような不備のないようにします」。

いろいろな人の反応を調査したところ、言い訳めいた前者は悪印象を持った人が多かったのに対し、後者のほうはかえって好感を持ったという反応が多かったそうです。

相手は理由よりも純粋な謝罪を求めている

子供は、怒られたときに「だって……」という言葉を使いますが、聞く方はイラッとしてしまう。ただ素直に謝ればいいんです。

ミスをした理由を説明しなくてはならない状況もあるでしょう。その場合は、それが言い訳に聞こえないよう注意してください。

あなたのミスによって損失を受けたという事実は変わりませんから、「理由はなんだ」と聞かれても、本当に求められているのはあなたの純粋な謝罪なのです。

「本当に申し訳ございませんでした」、「すみませんでした」、ただ単純にこうした言葉が重要なんです。

素直に謝ることで信頼回復を

いかがでしたでしょうか? 今回は、「仕事のミスから信頼を回復する方法」でした。

ミスをして信頼を失うのは辛いですよね。しかし3回謝るという方法を実践するだけで、信頼を高めるチャンスになるならば、実行しない手はありません。

誠実に、言い訳をせず、3回以上謝ることを心がけて、好感度アップも狙ってしまいましょう!

(取材・文/横山博之)

【働く人のポジトレ】過去の記事はこちら!

参考文献

Kim, P. H., Ferrin, D. L., Cooper, C. D., & Dirks, K. T. 2004 Removing the shadow of suspicion: The effects of apology versus denial for repairing competence-versus integrity-based trust violations. Journal of Applied Psychology ,89, 104-118.

監修者プロフィール

■内藤誼人(ないとう・よしひと)先生
心理学者。立正大学講師。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程修了。心理学者として執筆や、メディア出演、企業講演などで活躍中。執筆した著書には『すごい!モテ方』(廣済堂出版)『ビビらない技法 やさしいあなたが打たれ強くなる心理術』(大和書房)など多数。歯に衣着せぬ巧みなトークで周囲を明るくしてくれる。

著者プロフィール

■横山博之(よこやま・ひろゆき)
『monoMAX』、『東洋経済』などの雑誌やWeb、書籍など幅広いフィールドで活躍するフリーライター。多くの著名人のインタビューを手掛けてきた経験から、内藤先生とタッグを組み、先生の書籍を執筆をした経験も。時計やカバン、文具といった男性たちがこよなく愛するガジェットにも造詣が深い。

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