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2018.04.01

上手くいかない職場の人間関係を良好に!【働く人のポジトレ#1】

KenCoM公式ライター:横山博之

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ふとしたきっかけで生まれる心のストレス。古今東西の最新理論に通じる心理学者の内藤誼人(ないとう・よしひと)先生が、働く皆さんのお悩みを解決に導くため、心理テクニックを伝授する本連載「働く人のポジティブメンタルトレーニング」、略して「ポジトレ」。

第一回目となる今回は、「うまくいかない職場の人間関係を良好にする方法」です!

今週のお悩みはコレ

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お悩み:「同僚や上司との距離感をうまく測れず、疎外感を感じています。どうすれば良好な関係になれるでしょうか?」

内藤先生:「コミュニケーション不足が原因ですよ。“伝わる挨拶”がカギ!」

“え!?挨拶だけで、変われるの?”と訝しがるかもしれません。しかし、ご自身の胸に手を当てて、最後に挨拶したシーンを思い返してみてください。どれだけハッキリした声で挨拶しましたか?それをどれだけの人が聞き、応えてくれましたか?相手の顔を見て挨拶ができましたか?

特別な問題がないのに、同僚や上司とうまくいっていないと感じるのであれば、“直接的なコミュニケーションが不足している”可能性が高いのです。

これが心を通わせる正しい挨拶の仕方

朝出社して、ただ目の前にある空間に向かって「おはようございます」とつぶやくのではなく、相手を見て「〇〇さん、おはようございます」と挨拶しましょう。外回りから帰ってきた人には「お疲れ様です」と声を掛ける。自分が出るときには「行ってきます」と言う。終業時には「お先に失礼します。お疲れ様でした!」と言ってから帰途につく。できるだけ回数を増やすことを意識できると◎です!

挨拶がもたらす効果は思った以上に大きい!

挨拶がもたらす効果について調べたハーバードメディカルスクールのエドワード・ハロウェル医師は、ハーバード・ビジネス・レビュー紙に寄せた論文で「ハイテク(時代)にはハイタッチが必要だ」と説きました。

ハイタッチとは、心の通ったコミュニケーションのことで、挨拶も含まれます。

ハロウェル氏は医学部の先生で、さまざまな企業人の患者と話をする中で、メールなどの間接的なコミュニケーションをとる組織より、直接的なコミュニケーションをとる組織のほうが、良好な関係を構築できていることに気づきました。

昨今はメールやチャットでのコミュニケーションが浸透したことで、組織全体の対面での会話が不足しがち。そのため、挨拶はとても重要です。

内藤先生:「それでも距離が埋まらないなら、相談をしに行ってください」

それでもまだ距離感が埋まらないと感じるなら、メールで済むような簡単な内容でも、あえて直接相談しに行くのも手でしょう。デキる営業マンというのは、あの手この手でクライアントと直接会う機会を増やして、信頼を得ています。対面して言葉を交わすのは、絶大な効力を持っているんです。

そこには相手との相性がどうだとか、口下手かどうかとか、関係ありません。ただ単純に面と向かって言葉を交わす機会を増やしていくことで、あなたという人間性が伝わり、同僚や上司も心を開いていくことでしょう。

面と向かった挨拶は、最強のコミュニケーション

いかがでしょうか。

たかが挨拶、されど挨拶!相手との相性や性格などいちいち気にせず、誰にでもできることです。仕事のコミュニケーションで悩んでいるならば、まずは相手に伝わる挨拶をしてみましょう。

(取材・文/横山博之)

参考文献

Hallowell, E. M. 1999 The human moment at work. Harvard Business Review ,77, 59-66.

監修者プロフィール

■内藤誼人(ないとう・よしひと)先生
心理学者。立正大学講師。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程修了。心理学者として執筆や、メディア出演、企業講演などで活躍中。執筆した著書には『すごい!モテ方!』(廣済堂出版)『ビビらない技法 やさしいあなたが打たれ強くなる心理術』(大和書房)など多数。歯に衣着せぬ巧みなトークで周囲を明るくしてくれる。

著者プロフィール

■横山博之(よこやま・ひろゆき)
『monoMAX』、『東洋経済』などの雑誌やWeb、書籍など活動範囲が多岐にわたるフリーライター。多くの著名人のインタビューを手掛けてきた。内藤先生とタッグを組み、先生の書籍を執筆をした経験も。時計やカバン、文具といった男性たちがこよなく愛するガジェットにも造詣が深い。

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