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2017.11.24

漬けて焼くだけでカンタン!鱈の幽庵焼き【男の和ごはん・減塩対策編その4】

KenCoM公式:管理栄養士・圓尾和紀

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減塩レシピシリーズ最終回の今回は、鱈(たら)の幽庵(ゆうあん)焼きをご紹介したいと思います。なんだか大げさな料理名に聞こえますが、実は調味液に漬けて焼くだけでできる、とっても簡単なレシピです。

ゆずの酸味と香りを活かして、薄味でもしっかり満足感が得られる一品に仕上げていきます。

鱈の幽庵焼き

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[90kcal 塩分量:約1.3g(1人分)]

幽庵焼きは、醤油、酒、みりんを混ぜた調味液にゆずなどの柑橘類の果汁を絞り、そこに魚の切り身を漬けて焼いた料理です。江戸時代の茶人で、美食家としても知られた北村祐庵という方が考案した料理だと伝わっています。この方は魚や鶏を食べると、その産地まで言い当てたという逸話が残されています。その真偽はさておき、かなりの食通としてその名が知られていたようです。北村幽安(きたむらゆうあん)は、祐庵、幽庵とも記される。

今回はこれからの寒い時期に旬を迎える鱈(たら)を使います。鱈は鍋の具材としても定番の食材で、非常に脂が少なく、低カロリーなのにたんぱく質が多く含まれる魚です。クセのない味わいのため、シンプルで食べやすいという特徴を持っています。

(編集部余談)料理店などで幽庵焼きと表記されるのは、幽安と祐庵の号が混同されないよう配慮したともいわれています。

【材料】(2人分)

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・鱈 2切れ
・ゆず 1/2コ
(A)醤油 小さじ2
(A)みりん 小さじ2
(A)酒 小さじ2
・大葉、大根おろし 適宜

【作り方】

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1:鱈の両面に軽く塩(分量外)を振って、冷蔵庫で15分ほどおく。

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冷蔵庫から出して、キッチンペーパーで表面に出た水気をふきとる。

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2:手ごろな容器に(A)を入れ、そこにゆずを絞った後、ひとまぜして調味液をつくる。ジッパー袋に鱈を入れ、上から調味液を注いでなじませたら、冷蔵庫で15〜30分ほど寝かせる。

3:鱈を取り出し、グリルで焼いたら出来上がり。お好みで大葉や大根おろしを添えて。

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今回使ったゆずのように、柑橘類がもつ酸味は塩味を引き立ててくれる作用があるため、減塩に効果的です。普段の食事で醤油を使うような場合は、柑橘酢が入っているポン酢に置き換えるのも良いでしょう。

減塩のポイントは献立のメリハリ

一品一品を減塩することも大事ですが、献立全体のバランスを見ることも大切です。すべてが薄味だと食事全体が味気なくなってしまいます。そのため、今回のシリーズでご紹介した「うま味」「酸味」「薬味」「とろみ」を活用するのがおすすめです。
一品はしっかりと味つけしつつ、他は味を抑えることでメリハリのある食卓となり、全体の塩の量を抑えても満足感を得やすい食事になりますよ。

■男の和ごはんバックナンバー

著者プロフィール

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■圓尾和紀(まるお かずき)
“日本人の身体に合った食事を提案する”フリーランスの管理栄養士。日本の伝統食の良さを現代の生活に活かす「和ごはん」の考え方を伝えている。『一日の終わりに地味だけど「ほっとする」食べ方』がワニブックスより発売中。

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