メニュー

2017.01.31

ノスタルジックな湘南・江ノ島を夫婦で歩こう【夫婦さんぽ①】

KenCoM公式ライター:藤澤未央

記事画像

「夫婦関係もマンネリ気味、夫婦の会話なんてほとんどないわ」なんてご夫婦におすすめしたいのが、今回よりスタートする「夫婦さんぽ」連載です。この連載では、夫婦で行きたいおすすめ散歩コースをご紹介していきます。
「いまさら夫婦で散歩?」と思う方もおられるでしょう。しかし、歩くことは有酸素運動や気分転換にもなり、何より手軽。忙しい夫婦がマンネリを脱して会話を重ね、2人の間に新鮮な空気を取り入れたいときにおすすめです。

初回の今回は、筆者の愛する地元の湘南・鎌倉近辺のおすすめ散歩コースです。このエリアには海あり山ありの自然と、お洒落なのにどこか庶民的な街が点在しています。都心からの交通の便も良くて大人が羽を伸ばすのにぴったり。

落ち着いたら夫婦で2人の時間を作ってみませんか。普段顔を合わせていると、どうしてもお互いが無遠慮になってしまいがちですが、時にはデートして恋人気分を味わってみるのも良いものです。

今回のコースの出発点は、交通の便も良い藤沢駅。江ノ島の少し手前で下車して湘南の地を歩く今回のコースは、運動不足解消にももってこいですよ。地元民もおすすめするスポットもご紹介。さあ、江ノ島を目指して歩きましょう!

湘南・江ノ島の魅力は、穏やかな自然と庶民派のやさしさ

記事画像

湘南・江ノ島と言えば、関東を代表する観光地の1つ。よくテレビの定点カメラなどでも使われますので、その存在を知っている方も多いと思います。

その影響か、湘南の魅力は「海」だけだと思われがちですが、実はそうではありません。湘南の中心である藤沢は東海道の宿場町として古くから栄え、江ノ島は江戸時代から観光地として多くの観光客が訪れる場所でした。そのため史跡が多くある古い街並みと、おもてなしに慣れた庶民の優しさが共存した、観光客にも居心地のいい街になっているのです。

1年中比較的穏やかな気候も相まって、最近はますます湘南人気が高まっています。海水浴や史跡巡りだけではなく、釣りや水族館などの家族レジャーや、地元漁港であがる魚介などのグルメを目当てに訪れる方も多いようです。

夫婦さんぽにおすすめのコース

注)藤沢駅を出発する1からのコースはかなりの距離を歩きます。体力に自信のない方は、小田急片瀬江ノ島駅より出発する3以降のコースでまわることをおすすめします。

1.新林公園の散策路で森林浴

JR・小田急・江ノ電の3路線が交差する藤沢駅から徒歩20分ほどのところにある新林公園は、湘南の高級住宅街のすぐ近くとは思えないほど自然を楽しめる広大な公園です。

子ども向けの遊具もたくさんありますが、ここで楽しみたいのは全長1.5kmにわたる自然散策路。手つかずの湘南の自然をそのまま散策路にしているので、森林の中をウォーキングしている気分になれますよ。アップダウンのある山道ですが、グルリと1周回って約30分ほどなので、正月の運動不足解消にももってこい。運が良ければ、リスやカワセミなどの生き物にも出会えますよ。

〒251-0015 神奈川県藤沢市川名字新林411-1

2.「片瀬諏訪神社」を参拝して夫婦の縁を深く

記事画像

新林公園から江ノ島の方向に歩いて25分ほどのところにある「片瀬諏訪神社」は、御祭神が夫婦神というちょっと珍しい神社です。そのため、地元では夫婦和合や家内安全、縁結びの神様として知られています。
境内は広々としていて心地よい雰囲気なのですが、どこか凛としたたたずまいに不思議と背筋が伸びるような気分が味わえるはず。ちょうど江ノ島まで向かう道の途中にあるので、休憩がてらちょっと寄り道して夫婦の幸せを祈ってくるのはいかがでしょうか。

記事画像

ここでの人気は本物の真珠を使った美しい「えんむすび守」。お守りとは思えない、清楚でかわいらしいデザインが特徴です。ぜひ、仲睦まじい夫婦神のご利益にあやかりたいものですね。

〒251-0032神奈川県藤沢市片瀬2-21-16
TEL:0466-22-5843

3.穴場の人気店 cafeとびっちょヨットハーバー店でランチ

外のテラスでは、手ぶらBBQも楽しめます。

外のテラスでは、手ぶらBBQも楽しめます。

片瀬江ノ島の駅からすぐ見える江ノ島大橋を渡れば、あっという間に江ノ島の入口。江ノ島大橋は長いように見えますが、光る水面を眺めながら潮風を頬に感じて渡るのは心地よく、歩いていてもさほど距離は感じません。
島の入り口にある「青銅の鳥居」の奥にはにぎやかな参道が見えますので、人の流れにつられて思わずそちらに向かいたくなるかもしれませんが、お参りはあとの楽しみにしてまずは腹ごしらえとまいりましょう。

「青銅の鳥居」の前を左折して、立ち並ぶお土産屋さんに沿って島の奥へ歩いていくと、江ノ島のヨットハーバーが見えてきます。その1階にあるのが今回のランチの目的地「cafeとびっちょヨットハーバー店」。実はこちらは、いつでもにぎわっている江の島の有名店「しらす問屋とびっちょ」の支店になるのですが、奥まった立地のせいか本店ほどの混雑はなく、落ち着いてゆったり過ごすことができます。本店と同じ人気の丼はもちろん、cafeならではのオリジナルメニューも用意されているので、様々な味を楽しめるのがうれしいですね。

手前が人気の釜揚げしらす丼(890円)。左奥がtobicchoしらすピザ(1180円)、右奥がやまゆり豚の照焼き丼(1300円)。

手前が人気の釜揚げしらす丼(890円)。左奥がtobicchoしらすピザ(1180円)、右奥がやまゆり豚の照焼き丼(1300円)。

やはりこちらの人気は、「とびっちょ」の代名詞でもあるしらすを使った料理。
ふわふわのしらすがたっぷり盛られた「釜揚げしらす丼」は、本店と同じ看板メニュー。cafeオリジナルメニューである「tobicchoしらすピザ」も、青のりの香り豊かなソースが後を引き、いくらでも食べられる美味しさです。どのメニューもボリュームたっぷりなので、歩き疲れてお腹が空いている方でも十分お腹いっぱいになりますよ。

食後のコーヒーやソフトクリームが本格的な味なのもcafeならでは。ほとんどのメニューはテイクアウトができますので、散策路の中で景色のいい場所を見つけてランチにするのも楽しいかもしれませんね。

〒251-0036 神奈川県藤沢市江の島1-12-2 ヨットハーバー1F
TEL:0466-53-7760
営業時間 8:00~18:00
※定休日は施設の休館日に準じます。詳しくは以下のサイトをご確認ください。

4.江ノ島全体にわたる「江島神社」を散策

記事画像

美味しいランチの後は、先ほどの「青銅の鳥居」のところまで戻って、ゆっくりと江島神社を参拝しましょう。
江島神社は、安芸の宮島として有名な広島の厳島神社や滋賀の竹生島と共に、日本三大弁財天の1つとされています。

観光地として有名な江ノ島ですが、島全体が「江島神社」となっていることを知らない方も多いのではないでしょうか。実は江島神社は、島の入り口にある「青銅の鳥居」をくぐると江ノ島全域が境内となっている、とても広大な神社なのです。

江島神社は島の入り口から裏側まで随所に社があるのですが、しっかりお参りしておきたいのは「奉安殿(ほうあんでん)」「辺津宮(へつのみや)」「中津宮(なかつのみや)」「奥津宮(おくつのみや)」「龍宮(わだつみのみや)」の5箇所。島の一番奥にある奥津宮と龍宮まで足を延ばさず引き返す方も多いのですが、観光客数が減り落ち着いた情景を見せる奥津宮こそ、昔の江島神社本宮となる由緒正しき社。ぜひお参りしてパワーをいただきたいところです。

江ノ島自体がデートスポットとして有名となっている昨今ですが、江島神社は厄落としなどの悪縁切りの神様という一面もあります。夫婦で訪れるときは2人の良縁が続くよう、心を込めてお願いしたいものですね。

〒251-0036 神奈川県藤沢市江ノ島2-3-8 
TEL:0466-22-4020

5.焼き立てのタコせんべいをおやつに

いつでも長蛇の列ができている人気のお店

いつでも長蛇の列ができている人気のお店

江島神社の参道には所狭しとお土産店が並び、にぎやかで思わず目移りしちゃいますよね。
ひときわ行列が長い人気店が「タコせんべい」でおなじみの「あさひ本店」です。タコ2~3匹を丸ごと高温でプレスして焼き上げたタコせんべいは、待ってでも食べたい江ノ島の味。タコ以外にも、エビせんべい、クラゲせんべいとあり、どれも素材のうまみが生きていて美味しいので、幾つか注文して食べ比べてみるのもいいかもしれません。辺津宮の下の参道の入り口にある店舗が一番有名ですが、中津宮と奥津宮の間あたりにももう1店舗ありますので、おなかが空いたタイミングを見計らってぜひどちらかに並んでみてくださいね。

お土産用のものなら待たずに買えるので、急いでいる人はこちらを利用するのも手ですよ。

左がタコせんべい(350円)。右がエビせんべい(600円)。
子どもの顔がスッポリ隠れるくらいの大きさにびっくりです!

左がタコせんべい(350円)。右がエビせんべい(600円)。 子どもの顔がスッポリ隠れるくらいの大きさにびっくりです!

〒251-0036 神奈川県藤沢市江ノ島1-4-10
TEL:0466-23-1775

6.稚児ケ淵にある岩屋で、沈む夕日を眺めて

記事画像

江島神社の奥津宮を越えてもう少し歩くと、目の前に開けてくる美しい海の輝きに圧倒されるのではないでしょうか。もうここは、江ノ島の裏にあたる岩屋の近く。先ほどまでの賑わいとはうってかわって、静かで力強い湘南の海を感じられることと思います。

ゴツゴツした岩場に座ってゆっくり日が沈むのを眺めているのも素敵ですが、時間に余裕があれば、岩場の奥に波の浸食で作られた洞窟「江ノ島岩屋」を見学に行ってみるのもいいでしょう。
自然にできた洞窟とは思えない深さと広さを誇る江ノ島岩屋は、陽の光が届かない奥のほうに進むとろうそくを渡されて、ろうそくの明かりを頼りに見学するという古典的なスタイル。残された石像などからは、古くから信仰の対象とされてきたんだなあという名残が垣間見え、歴史と文化を感じさせる場所になっています。

稚児ケ淵の岩場。ゴツゴツした磯とも砂浜とも違うなんとも不思議な情景は、かながわの景勝50選にも選ばれています。

稚児ケ淵の岩場。ゴツゴツした磯とも砂浜とも違うなんとも不思議な情景は、かながわの景勝50選にも選ばれています。

岩屋見学を終えて外に出ると、美しい夕焼けに照らされた海が目の前に広がり圧巻の景色が見られることでしょう。天気がいい時は富士山のシルエットまできれいに見え、絶景ですよ。

夕日(左)と、かすかに見える富士山(右)のコラボレーションは、このロケーションならでは。

夕日(左)と、かすかに見える富士山(右)のコラボレーションは、このロケーションならでは。

江ノ島岩屋の開業時間:
3/1~10月中旬 9:00~17:00  
10月中旬~2月末 9:00~16:00

入洞料:大人(高校生以上)500円 子ども(小中学生)200円
※悪天候の時は閉鎖する場合があります。詳細は以下のリンクにて確認してください。

7.遊覧船弁天丸に乗り、片瀬江ノ島駅近くまでショートカット

「江ノ島を歩きつくしてヘトヘト…。」「もう一度江ノ島の入り口まで、階段の上り下りを歩くのはツライ。」という方は、岩屋の近くから出発する遊覧船「弁天丸」に乗って、江ノ島大橋の途中までショートカットすることもできます。もう一度山越えをしなくて済むので、歩き疲れた方や一度通った道を戻りたくない方にはおすすめですよ。

また遊覧船のメリットとして、海上からの江ノ島の姿を眺められるということもあります。
歩いているときは穏やかな江ノ島も、海の上からでは荒々しい岸壁や崖の上にそびえたつ木々などワイルドな一面を見せてくれます。そのギャップもぜひ体験してもらいたいものですね。

ただ、弁天丸の運航は不定期です。日没を過ぎると就航しませんし、天候によっては運航しないこともあります。弁天丸を利用したいのなら、あらかじめその日の就航状況を確認しておくのがおすすめですよ。ちなみに江ノ島大橋から岩屋に向かうルートもありますので、先に岩屋方面に回りたい方は遊覧船からスタートしてもいいかもしれません。

問い合わせ先:
0466-22-4141(藤沢市観光センター)
片道料金:大人400円 子ども200円

8.ライトアップされたシーキャンドルを眺める

遊覧船弁天丸に乗らず、岩屋からもう一度江ノ島の山を越えて歩いて戻る方もいると思います。せっかく歩くんですから、その時は夜景も楽しんで帰りましょう。
実は江ノ島の一番標高が高いところにある灯台(通称:シーキャンドル)は、冬季限定でライトアップされているんです。ただでさえロマンチックな湘南の夜景が、きらびやかな光にまとわれるとさらに幻想的な光景に変わりますよ。

土日は展望台へ上るエレベーターも混雑しますので多少待たされることはありますが、それも忘れるくらいの美しい夜景を堪能することができます。
ただ海風はとても冷たく感じますので、防寒対策はできるだけしっかり行うようにしてくださいね。

〒251-0036 神奈川県藤沢市江ノ島2-3(江の島サムエル・コッキング苑内)
TEL: 0466-23-2444
受付時間 9:00~19:30

大人 500円(江の島サムエル・コッキング苑入苑料200円 + 江の島シーキャンドル昇塔料300円)
小人 250円(江の島サムエル・コッキング苑入苑料100円 + 江の島シーキャンドル昇塔料150円)

9.noka tableで湘南野菜の美味しさを堪能

記事画像

1日たっぷり歩いた後のディナーは、素材のおいしさが堪能できる良店をセレクトしたいもの。
藤沢駅近くにある「noka table」は、その名の通り「農家」の野菜がメインの落ち着いたダイニングバー。隠れ家のようなたたずまいからは想像もできないような、本格的な野菜料理が楽しめるお店です。最近首都圏でも人気の高い「湘南野菜」の本場藤沢だからこそ出会える、みずみずしい野菜の魅力を引き出した料理の数々に、きっとあなたも目移りしてしまうと思いますよ。

看板メニュー「本日の農家サラダ」。野菜たちがのびのび主張しているのに不思議とキリリとまとまるのは、やはり特製ドレッシングの技でしょうか。

看板メニュー「本日の農家サラダ」。野菜たちがのびのび主張しているのに不思議とキリリとまとまるのは、やはり特製ドレッシングの技でしょうか。

シンプルかつ繊細な味わいの料理たちに舌鼓をうつもよし。日本酒・焼酎・ワイン・果実酒など、様々なジャンルから選び抜かれたお酒を飲み比べるもよし…。野菜料理がどの種類のお酒にもしっくりなじむことに、びっくりさせられるのではないでしょうか。

少人数のスタッフによる温かい接客も心地よくて、ついつい長居してしまいたくなること間違いなしです。大人のデートの締めにこれほどふさわしい店はないでしょう。ただ、席数が少ないので、あらかじめ予約しておくことをおすすめします。

noka table(ノカ テーブル)
〒251-0055 神奈川県藤沢市南藤沢23-5 東ビル1階
TEL:0466-26-1535
営業時間:18:00~23:30 (L.O. 23:30)
定休日:火曜日

海と山の恵みたっぷり!湘南江ノ島の多彩な表情を楽しんで

記事画像

江ノ島をはじめ湘南の地は、海と山の自然の恵みがギュッと詰まった魅力あふれるエリア。
都心からそれほど離れていないのに、爽やかな風と穏やかな陽が降り注ぐ落ち着いた雰囲気は、リゾート地にも似て休日の夫婦のリラックスにはぴったりです。

全部を回るのは体力的に心配…という方は、興味のある所だけ数か所ピックアップしても構いません。湘南の海や山の幸を堪能しながら、見ごたえのあるパワースポット巡りをしてみるのはいかがでしょうか。きっと「また来ようね。」と言いたくなる、思い出の地が増えるのではないかと思いますよ。

<著者プロフィール>

■藤澤未央(ふじさわ・みお):
IT関連での勤務後、出産を機に退職。現在は子育ての傍らフリーライターとして活動中。主に、人間関係のコミュニケーション術や子育てノウハウ系の記事を得意とする。大切にしていることは「誰にでもわかりやすく、人の心に寄り添うライティング」。湘南在住。

この記事に関連するキーワード