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2016.10.05

焼き鳥や豚汁にも!食卓の漢方薬「七味唐辛子」メニュー

KenCoM公式ライター:中野友希

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七味は唐辛子をベースとした日本を代表するミックススパイス。特有の芳香を持つ山椒や、食べる丸薬ともいわれているゴマ、漢方でも用いられるチンピなど数種類のスパイスを組み合わせた七味は、和食に欠かせない存在です。それらのスパイスが持つ薬効は、体脂肪の燃焼を促進させたり、免疫力アップにつながるなど、栄養はもちろんその薬効にも注目したいところ。

ここでは、七味の薬効に触れつつ、七味との相性抜群の秋メニューをご紹介していきます。

七味には薬効がある

七味唐辛子は、唐辛子をベースにした、チンピ、ごま、けしの実、山椒などの数種類のスパイスを含んだミックススパイス。唐辛子に含まれる成分「カプサイシン」をはじめ、含まれる成分の薬効にも注目です。ここでは、七味唐辛子に含まれる代表的な3つの食材がもたらす薬効についてみていきましょう。

ベース”唐辛子”の主成分「カプサイシン」は脂肪燃焼を促進

七味唐辛子は、唐辛子をベースにした調味料。唐辛子に含まれる辛味成分「カプサイシン」は、よく知られているとおり体脂肪を燃焼させ、エネルギーの燃焼を助ける働きをしてくれます。

消化を促し胃を健康にする”山椒”

七味唐辛子のピリっとした舌触りは、山椒によるところもあります。書籍『はじめてのスパイス便利帖 (ファミマ・ドット・コム)』によると、「平安時代以降、山椒は薬用として用いられており、のぼせや咳、下痢に効果があるとされてきた」とあり、健胃、整腸、発汗、鎮痛、などの作用が期待できると紹介されています。

”ゴマ”は栄養満点な「食べる丸薬」

七味唐辛子の香味を担当するゴマは、「食べる丸薬」とも例えられるほどに栄養価が高いことで知られています。古代エジプトでは、薬用としても用いられていたことが当時の医学書にも記載されており、日本でも奈良時代には畑で栽培され、ゴマ油を抽出して調理や灯油として用いられたといわれています。

七味をかけるだけで美味しくなるおかず

数種類のスパイスをミックスした七味唐辛子は、和食はもちろん洋食にも合うミックススパイス。七味効果で脂肪燃焼を促進したり、食材のクセを緩和させるなど、七味唐辛子の持つ味わいや健康効果でさらに秋の食材がおいしく健康的に食べられます。ここでは、七味との相性が抜群のおかずをご紹介していきます。

焼き鳥

七味唐辛子は、お肉料理にもよく組み合わせられています。特に焼き鳥との相性はばっちり。脂身の多い「ぼんじり」や「鶏かわ」の脂っこさを引き締めてくれます。

また、レバーやハツ、砂肝など、やや臭みやクセが気になる食材の生臭さを消してくれる役割も果たしてくれます。焼き鳥に合わせるなら、爽やかな香りとピリっとした辛味が特徴の粉山椒の味わいが効いた七味唐辛子がおすすめです。

冷奴

冷奴には、ネギやショウガ、キムチなど様々な薬味を加えることが多いですが、七味唐辛子を冷奴にふりかければ、いつものたんぱくな味わいががらりと一変。唐辛子の辛味とその他のスパイスの香味が冷奴によく合います。ゴマ油と七味唐辛子を加えて、ラー油風にすればお酒の肴にも活躍してくれます。

豚汁、味噌汁

食べなれた豚汁や味噌汁をややスパイシーに食べたい時に、七味唐辛子を少しだけ加えるといつもと違った味わいが楽しめます。蕎麦屋や牛丼屋では、七味唐辛子を各テーブルに備えているところが多いので、外食時にも応用が利く食べ方です。自宅なら、食卓に七味唐辛子を常備しておけば、気分次第で自分好みの味わいが瞬時に完成!

納豆

牛丼やうな丼など、ご飯がおいしい丼ものにもよく組み合わせられる七味唐辛子。ご飯のお供に欠かせない発酵食品”納豆”にも七味唐辛子がほど良いアクセントになって食が進みます。七味の中でも、ご飯とよく組み合わせられるスパイスが山椒。七味唐辛子がご飯ものにも組み合わせられやすいのは、この山椒の爽やかな香りと、ピリっとした味わいにあるのかもしれません。納豆には、一般的に醤油やからしなどがよく組み合わせられますが、七味唐辛子の香りと、ピリっとした舌触りが大人の胃袋を刺激してくれます。

七味唐辛子香る、秋のメニュー3選

”食欲の秋”といわれるとおり、秋は実りの多い季節。採れたての食材は、シンプルに食べるだけでも旬のごちそうです。ピリっと辛い七味唐辛子は、食材の味わいを引き立てるアクセントに。ここでは、七味唐辛子が決め手の秋メニューをみていきましょう。

さんまつみれのおろし汁

旬のサンマは焼いてもシンプルにおいしいですが、つみれにしてひと手間加えるとさらに食卓を彩るごちそうに。秋の味覚であるきのこ類をお好みで加えたり、食物繊維が豊富なゴボウなどとの相性も抜群のレシピです。

最後に加える大根おろしは、大根に含まれる消化酵素やビタミンCが熱に弱い性質があるため、できるだけすりおろしたての大根おろしをあまり加熱せずに食べるのが理想。胃の働きを整えて、食欲をアップさせてくれます。最後に七味を加えれば、ピリっとした辛味が決め手のさんまつみれのおろし汁が完成です。

七味唐辛子の秋茄子ペペロンチーノ

ペペロンチーノに欠かせないスパイス「鷹の爪」。唐辛子は輪切りにして、油に香りづけしたり食材に辛味をプラスしたりする時に使いますが、調理したいときに切らしていたり、購入しても賞味期限までに使い切れないこともあるかもしれません。そのような時に代用できるのが「七味唐辛子。」様々な香辛料をブレンドした七味は、和洋問わずオールマイティに活躍してくれます。

また、ペペロンチーノの材料は秋が旬の茄子。茄子は皮の部分に「ナスニン」と呼ばれるポリフェノールの一種が含まれているので、老化予防に、果肉には「クロロゲン酸」が含まれ、糖尿病予防に役立ってくれます。自宅にある食材で、手軽に楽しめるペペロンチーノはゆっくりしたい休日のランチにもぴったり。

七味唐辛子の焼きおにぎり

秋は新米が美味しい季節。精米したての水分をたっぷり含んだ新米は、お米本来のおいしさが一番際立ちます。焼きおにぎりの作り方は、お米に調味料を混ぜ込んで握る方法や、白いおにぎりにそのまま調味料をなじませながら焼く方法がありますが、新米のおいしさを楽しみたい時は、白いおにぎりに調味料をなじませる方法がおすすめ。

辛味の加減はお好みで、さらに自分でブレンドした「マイ七味」なら、お好みの辛さやおいしさに近づけることができます。お米が主役になれる焼きおにぎりは、行楽のお供もにぴったり。焼きおにぎりとしてそのまま楽しむのはもちろん、お茶漬けにしても絶品です。大人向けに七味唐辛子を効かせた秋のごちそうは、日本人に生まれてよかったと再び思い起こさせてくれそうです。

七味唐辛子で健康的に秋メニューを堪能

七味唐辛子の薬効と、七味によく合う秋メニューについていかがでしたでしょうか。秋を味わう旬メニューにもぴったりの七味唐辛子で、夏の疲れに配慮した健康的な食卓を囲んでみてはいかがでしょうか。

<著者プロフィール>

■中野友希(なかの・ゆき):
大学卒業後、税理士事務所、社会福祉法人での経理・税務の業務の傍ら、労働環境改善やメンタルヘルスケアにも取り組む。出産後はウェブライターに転身し、三ツ星レストランや老舗料亭など飲食店への取材・ライティングを手がけた。現在は、”シンプルにわかりやすく伝える”ことをモットーに、ママ向けメディア、ヘルスケアメディア、ペット専門メディアなどでライターとして活動している。

参考文献

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