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2016.09.29

「秋キャンプ」が実はイイ!焚き火で1杯もオツなものです

kencom公式ライター:藤澤未央

BBQ、花火などにぎやかな夏キャンプとはうって変わり、静かな落ち着きを感じさせる秋キャンプ。森林浴を楽しみながら自然を満喫する秋のキャンプは、秋の夜空の下で焚き火の魅力をたっぷり味わえる、大人ならではの楽しみ方ですよ。実りの秋ならではの旬の味覚も味わいつつ、リラックスした一日を過ごしてみるのはいかがでしょうか。今回は秋キャンプの魅力をたっぷりお伝えしたいと思います!

秋深まる森の香りはストレスを和らげる

街中を歩いている時や海辺などを散歩している時に比べ、森林の中にいると気持ちが落ち着き、日頃の疲れが取れていく気がしませんか。これは、森林浴による「セラピー効果」と考えられており、ストレスで凝り固まった現代人の心をほぐす健康効果につながるのだそうです。

実際に、森林浴をすると総合的にリラックス効果が得られるという研究もあります。森林総合研究所の研究によると、日帰りの森林浴を行った場合、脈拍数・血圧、コルチゾール 濃度、副交感神経・交感神経活動などにおいて、数値が改善しリラックス効果が認められたのだとか。

夏に引き続き、秋も森林浴効果が高い季節です。特に心地よい気候の中で紅葉をも楽しめる秋は、森林浴にはぴったりのシーズン。せっかくですから、森林浴を贅沢な大人の時間に変える、「秋キャンプ」を楽しんでみてはいかがでしょうか。

落ち着いた雰囲気をまとう秋のキャンプ場は、夏のにぎやかさとはうって変わり大人のキャンパーたちが集う場となりますよ。その中でたっぷり森林浴をしながら、リラックスした一日を楽しむ…。もしかすると、リフレッシュした新しい自分に出会えるかもしれませんね。

秋キャンプのメリット

1.汗をかかない

夏と秋の違いは、なんといっても気温。森の中とはいえ日中30度近くになる夏に比べグンと気温が低くなる秋は、汗をかかずに過ごしやすいのが嬉しいですね。肉体労働であるテントの設営や火おこしも、それほど汗だくにならずに行えます。

キャンプ場にはお風呂がない場合が多いですから、汗をかいても体をふく程度しかできず、基本的にはそのままの状態で一晩過ごさなくてはいけません。やはり「汗でベタベタの体のままシュラフで寝るのには抵抗がある…」と感じる方も多いですよね。
その点、秋のキャンプだとそもそも気温が低いので、汗の心配をしなくていいのがいいところ。日中も涼しく快適なため、自然をより満喫できリラックスして過ごすことができるでしょう。

ただ、最近は秋が深まっても台風が到来することも多いようです。自然の中で過ごすキャンプだからこそ、天気予報はこまめにチェックすることをおすすめします。

2.キャンプ場が夏ほど混雑しておらず、静か

「キャンプと言えば夏!」「キャンプと言えばバーベキュー!」というイメージが定着しているせいか、夏のキャンプ場ではBBQで盛り上がっているキャンプ初心者の若者たちのサイトがいくつか見受けられます。

中には夜遅くまで音楽をかけて騒いだり、大人たちが泥酔していたりすることもありますから、自分がその近くのサイトに当たっていたりすると迷惑に感じてしまいますよね。筆者も「場所運」に嘆いたことは、一度や二度ではありません…。

でも秋キャンプでは、そのような「盛り上がりたいだけ」の若者たちはめったにいません。これは気温のせいなのか、落ち着いた季節のイメージのせいなのか。いずれにしても秋のキャンプ場は、若者よりも上級者たちが静かに過ごしていることが多いような気がします。

静かで大人の雰囲気を醸し出している秋キャンプは、ゆったりと過ごしたいあなたにはもってこいかもしれません。比較的空いているため、キャンプ場の予約が取れやすいのもいいですね。

3.美味しい食材がたくさん

秋と言えば「スポーツの秋」「読書の秋」と何をしても気持ちのいいシーズンですが、何よりうれしいのが「実りの秋」ですよね。おいしい食材が増える秋は、屋外料理にも最適な季節です。

まずは新米を飯盒で炊いて、おこげのご飯を味わってみましょう。
また、旬のサンマや秋鮭を炭火でじっくり焼いて、焼き立てをほおばるのもいいですね。

食後には、キャンプ場近くの直売所で調達した、リンゴやナシ、ぶどうなどの秋の果物をいただくなんていかがでしょうか。キャンプ場によっては、果物狩りができる農園が近くにあるところもあり、収穫の楽しみも味わうことができますよ。

4.夜の焚き火を思う存分楽しめる

秋キャンプの醍醐味と言えば、やはり夜の焚き火ではないでしょうか。
夏には暑くてあまり気が進まなかった焚き火。でも、焚き火を見つめてゆったり過ごすひと時は、大人ならではの贅沢な時間の過ごし方です。

焚き火の周りを囲みながら、ホットワインやウイスキー、ホットコーヒーなどをお好きな飲み物を準備しましょう。焚き火で煮込み料理を作ったり、スルメやウインナーなどをあぶって、おツマミにするのもおすすめですよ。子どもには、焼きマシュマロなんかも人気があります。

満天の星空の下語り合う夜は、秋キャンプならではの贅沢な楽しみです。
この夜の焚き火を体験してしまうと、上級キャンパーたちが「焚き火をしたくてキャンプに行く」という理由がわかるような気がしますよ。

5.虫が少ない!

当たり前ですが、キャンプ場は森の中なので虫がたくさんいます。
夏は蚊に始まり、ブヨ・アブ・ハチなど多数の虫が寄って来ることも…。いくら蚊取り線香を焚いても虫の数には勝てず、どうしても虫刺されだらけになって帰る羽目になることも多いんです。

筆者の夫と息子も、今年の夏キャンプではアブに刺されてしまいました。夏のキャンプでは毎年家族の誰かが刺され、そのたびに皮膚科に駆け込むことになるのですが、キャンプ場周辺では病院を探すのも一苦労なことも多いんです…。

その点、秋のキャンプでは虫が少ないのがうれしいですね。
さすがに夜になると蛾はいることが多いのですが、人を刺す虫を気にしなくていいので無駄なストレスがありません。虫を気にせずゆったりと過ごしたいなら、虫が少ない秋キャンプを選ぶのも一つの手だと思いますよ。

6.帰りには、紅葉を眺めながらの温泉を楽しめる

キャンプの帰りに温泉に立ち寄りサッパリ汗を流してから帰る…、という方も多いですよね。キャンプ帰りの温泉が、至福のひと時というかたもいるのではないでしょうか。

夏だとお風呂上りにまた汗ばむこともあると思いますが、秋の温泉は心地よい気候なので身も心もすっきりできるのがうれしいですね。また、時期と場所によっては温泉につかりながら紅葉を楽しめることもあり、秋ならでは落ち着いた風情を楽しめますよ。

秋は温泉旅行にも適したシーズンになりますから、キャンプに行く際には立ち寄る温泉まで魅力あるところを選んでおきたいもの。最後の温泉までしっかり味わい尽くして、リフレッシュできる休日にしたいですね。

焼き芋におでん!秋キャンプならではの楽しみ方

では、秋ならではのキャンプの楽しみ方を見ていきましょう。
夏にはできなかったアツアツメニューも、秋ならたっぷり楽しめますよ。

焼き芋

やはり秋の焚き火と言えば、焼き芋が定番ですね。
アツアツでホクホク甘い焼き芋は、大人も子どもも笑顔になっちゃう絶品デザート。焚き火の中に放り込んでおくだけの調理の手軽さもうれしいポイントです。

ただ、焚き火で焼き芋を作るのには少しコツがあります。
サツマイモをそのままに火の中に入れると、真っ黒に焦げて炭になってしまいますので、必ず新聞とアルミホイルで包んでから焼きましょう。

1.まず、新聞一枚(一般紙であれば1ページ~半ページ)でサツマイモをしっかり包みます
2.次にその新聞紙でくるんだサツマイモをしっかり水で濡らします。
3.新聞がすっかり濡れたのを確認したら、それをアルミホイルでさらに包みます。
4.焚き火に入れるときは、火の真ん中ではなく端のほうに入れると焦げにくくなります。

こうやって濡れた新聞紙とアルミホイルでサツマイモを包んで焼くことで、程よく蒸した状態で焦げずにおいしくサツマイモを焼くことができますよ。ぜひ、お試しくださいね。

鍋・おでん

夏のキャンプだとBBQが主流でしょうが、日が暮れると一気に気温が下がる秋は、体が温まる煮込み料理に軍配が上がります。
家族でいく少人数キャンプであれば、焚き火で鍋をするのもいいでしょう。調理も片付けも楽な上にホカホカ体が温まる鍋は、秋キャンプならではの楽しみです。

人数が少し多くなるようなら、いろんな具材が楽しめるおでんがおすすめです。あらかじめ下ごしらえしておいた具を出汁で煮込むだけなので、調理が楽なのがうれしいですね。キャンプ場に到着した時からコトコト煮込んでおけば、夕方にはしっかり味が染みていいお酒の友になってくれますよ。

ハロウィンキャンプ

キャンプ場の中では、10月末のハロウィンに合わせて「ハロウィンキャンプ」を企画しているところがあります。

キャンプ場自体がハロウィン仕様に飾り付けられていたり、子どもが仮装してほかのサイトを回ってお菓子をおねだりしてみたり、ジャックオーランタン(かぼちゃをくりぬいて作ったランタン)を作るイベントをやっていたりと、今女性や子どもに人気のハロウィンキャンプ。この時期だけしか楽しめない、スペシャルイベントですね。

ハロウィンキャンプを楽しむなら、ぜひ自分のテントサイトもハロウィン仕様に飾りつけて、雰囲気を楽しんでみましょう。サイト全部を飾りつけするのは大変ですが、黒とオレンジのガーランドを付けるだけでも、ハロウィン気分は盛り上がります。せっかくですから、かぼちゃを丸ごと使った料理を味わうのもいいですね。

秋キャンプの注意点

とにかく寒さ対策はバッチリと!

自宅の部屋の中で過ごしていると、それほど寒いと感じない日でも、キャンプ場という自然の中で過ごす夜は、ビックリするくらい気温が低く感じると思います。
実際東京近郊のキャンプ場でも、10月になると夜は10度を下回ることがありますから、都内の感覚で準備していくと痛い目に合うかもしれません。

とにかく、「秋のキャンプ場」は、「都内の真冬の気温」と思っていいくらい冷え込みます。薄いウインドブレーカーだけでは全く太刀打ちできませんので、9月キャンプでもダウンジャケットを持ってくるキャンパーもいるくらいです。ちょっと大げさかな?と思うくらいの防寒対策をして、温かく過ごせる工夫をしておくことをおすすめします。

また、温かい飲み物を保温できる真空マグや、毛布代わりにもなるひざかけもあると便利です。忘れずに準備しましょう。

テントはできれば2ルームのものを

夏はノビノビと広いテントが過ごしやすいとされていますが、秋以降のキャンプは少しコンパクトなタイプの方が、人と人の距離が近く温かく感じるといわれています。ただ、秋は防寒グッズなども多く持参するため、夏に比べて荷物が膨れ上がりますから、あまり小さすぎるテントだと収容しきれないということにもなりかねません。

そこでおすすめなのが、テントとタープが一体化した2ルームタイプのテントです。
テントとタープのつなぎ目がないため隙間風が入らず、寝室部分とリビング部分を温かく行き来することができるのがいいですね。使わない荷物はリビング部分に出しておくこともできるので、秋のキャンプには最適なテントですよ。

秋のキャンプは大人ならではの贅沢

リラックス効果のある森林浴を楽しみながら、「日本の秋」という美しい季節の中でゆったり過ごす秋キャンプ。夏のように派手に水遊びをすることはできませんが、だからこそ静かに流れる時間を満喫できるのかもしれませんね。
満天の星空を見上げながらの焚き火は、大人ならではの贅沢な時間です。秋のキャンプシーズンはまだまだこれから。今年はあなたも、秋キャンプにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

<著者プロフィール>

■藤澤未央(ふじさわ・みお): 
IT関連での勤務後、出産を機に退職。現在は子育ての傍らフリーライターとして活動中。主に、人間関係のコミュニケーション術や子育てノウハウ系の記事を得意とする。大切にしていることは「誰にでもわかりやすく、人の心に寄り添うライティング」。

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