2022.11.25
じゃがいもと玉ねぎ、”畑のりんご”と呼ばれ栄養豊富なのはどっち?【管理栄養士がジャッジ Vol.70】
ご家庭でのストック率が高い「じゃがいも」と「玉ねぎ」。これからの季節、煮込み料理などで特においしく感じるのではないでしょうか?
今回は、定番根菜のじゃがいもと玉ねぎで、栄養比較をしてみましょう。
じゃがいもと玉ねぎ、”畑のりんご”と呼ばれるほど栄養豊富なのは?
正解は、じゃがいも
りんごに関することわざで、「1日1個のりんごで医者いらず」というものがあります。これは、1日1個のりんごを食べていれば、医者にかからなくて済むほど、りんごには栄養があるというものです。
そんなりんご並みの栄養を持ち、”畑のりんご”と言われるのが、じゃがいもです。
じゃがいもの栄養には、血圧の安定や、むくみ改善などの働きがあるカリウムや、抗酸化作用の高いビタミンCが多く、カリウムはりんごの3倍以上、ビタミンCは4倍以上含まれています。
また、じゃがいものビタミンCは、でんぷん質に守られているため、加熱をしても失われにくいのが大きな特徴です。
玉ねぎで生活習慣病予防!
一方の玉ねぎは、それ自体に栄養素が多いとはいえませんが、血液サラサラ食材として有名ですよね。これは、玉ねぎに含まれるポリフェノールの一種、ケルセチンや、ツンとした刺激を与える香り成分のアリシンが、血液をサラサラにする作用があるからです。
またアリシンは、豚肉などに多く含まれるビタミンB1の吸収を高める助けをし、疲労回復にも役立ちます。
定番メニューで体調管理を
コトコトと煮込むカレーは、冬にもぴったりのメニュー。鉄分が不足しているなと感じる時は、じゃがいも入りビーフカレーがおすすめです。じゃがいもに豊富に含まれるビタミンCが、牛肉の鉄分の吸収を高めてくれます。
また、玉ねぎに含まれるアリシンは、生でも加熱をしても効果は得られますが、定番のオニオンスライスサラダを作る時には少し注意が必要です。
玉ねぎの辛みを和らげるために水にさらす工程がありますが、さらし過ぎるとアリシンが水に溶け出し、失われやすくなります。そのため、水にさらしすぎないことがポイントですよ。
定番のストック食材で、体調管理ができるのは嬉しいですね。ご紹介した内容を参考に、ぜひ日々の食生活に取り入れてみてください。
▼参考文献
『旬の野菜の栄養事典』(女子栄養大学名誉教授 吉田企世子監修/X-Knowledge)
過去の『管理栄養士がジャッジ』はこちらから
著者プロフィール
■長 有里子(おさ・ゆりこ)
管理栄養士/sazukaru代表。
人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴、食と健康の総合ポータルサイト「イートスマート」立ち上げメンバー。サイトや書籍の栄養監修多数。現在はプレコンセプションケアにも力を入れている。