メニュー

2022.05.09

太りすぎは万病の元!肥満の危険性と予防・治療法は?【病のトリセツ#3】

kencom編集部

記事画像

年をとるにつれて、代謝が悪くなっていくのに運動量は減ってしまいがち……。そのため、若いときと同じ行動・同じ食生活で過ごしていても、自然と太ってきてしまったという方は多いのではないでしょうか?

今回は、これからの薄着の季節に気になる「肥満」についてまとめます。体重増加にお悩みの方は必見です!

肥満・肥満症とは?

肥満と肥満症は、一般に下のBMI(体格指数)を使って判定します。

BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)

日本ではこの数式によって算出されたBMIが25以上の方を、肥満と判定します。

肥満と肥満症の違い

では、肥満と肥満症にはどんな違いがあるのでしょうか。

まず、肥満とはBMI25以上であっても、糖尿病などの健康障害を併発していない状態のことをいいます。

一方、肥満症は、BMI25以上でなおかつ、糖尿病や脂質異常症などの肥満に起因する健康障害がある、もしくは内臓脂肪が100平方cm以上蓄積しており健康障害が予測される状態をいいます。つまり、ただ太っているだけだと肥満、医学的にみて治療が必要な病気と判断された場合は肥満症という呼び分けをしているのです。

なお、BMI35以上の場合は、高度肥満・高度肥満症という呼び方をします。

肥満はなぜ危険なのか

肥満は、糖尿病や脂質異常症など、11もの疾病との関係が認められています。肥満になるだけでさまざまな生活習慣病に罹患するリスクが増加してしまうのです。

肥満解消のためにできること

肥満外来を受診する

医療面から減量をサポートしてもらえるのが「肥満外来」。ここでは医師の指導の下で減量を行い、肥満を改善することで生活習慣病の予防を図ります。治療なので、保険も適用されます。

肥満外来では、まず身長体重の測定や採血、採尿、レントゲンや心電図、運動負荷心肺機能などの検査をして、健康障害の有無や運動能力などを調べます。
その後、患者1人1人に応じた治療や生活習慣改善のためのアドバイスを受けることになります。

肥満外来で行う治療には、大きく分けて
①食事指導
②運動指導
③薬物療法
④外科手術
の4種類があります。それぞれの治療については、ぜひ「最近太ったかも!?」そんな人の駆け込み寺!「肥満外来」って何【肥満外来・前編】をご覧ください。

ダイエット日誌が効果あり!?

患者が自ら生活習慣の問題点に気が付き、自発的に改善に取り組むために有効なのが、毎日日誌を付けていく「記録式ダイエット」。起床後(排尿後)、朝食後、夕食後、就寝前の1日4回体重を量り、ざっくりとした食事内容と共に記録していきます。食べたものは必ず書かなくてはいけないので、間食などの抑止効果も期待できるのだとか。

食材やカロリーなどを細かく書く必要がないので、大きな負担がなく続けやすいのがポイント。毎日書くことができなくても無理に遡って埋める必要はなく、できるところからまた始めれば問題ありません。自分の生活習慣を立て直す気づきにつながるので、実際に1年間継続した患者は平均して5%程度の減量に成功しているのだそう。ダイエット日誌の詳しい記載方法は、肥満外来でも指導する「記録式ダイエット日誌」の効果とは【肥満外来・後編】をご覧ください。

肥満を予防するにはどうすれば?

肥満を予防しようと食事量を減らすより、1日3回規則正しい食事を心がけた方がダイエットには適しています。
3食とることで、元々食事の回数が少なかった人は、一時的に体重が増えてしまうこともあるかもしれません。しかし、食事回数を減らすことよりも食事の時間や量を一定にすることが大切。食生活を規則正しく整えるだけで、自然と体重が減っていくこともあるのだとか。

運動習慣がなかった人は、一日10分でも運動を取り入れてみましょう。ウォーキングなど、身体への負担が重くない運動から始めるのがおすすめです。

毎日8000歩を目標に歩く

厚生労働省の資料によると生活習慣病の予防を念頭に置くなら、18歳~64歳の健康的な人で8000~10000歩が必要とされています。歩数が足りず運動不足になると、肥満だけでなく、筋力低下を引き起こし加齢とともに脚が不自由になるリスクが高まってしまいます。

自分の生活の一部に、歩く習慣を取り入れて肥満防止することが重要です。

意識して早歩きする

ウォーキングは、ジョギングやランニングに比べると運動強度が低め。燃やせるカロリーは、走ったときの半分以下と言われています。だらだら歩きするのではなく、少し息が切れるくらいの早歩きを心がけることで、運動効率は格段にアップします。

歩く時のコツは、背筋を伸ばして、少し大股気味に行うことです。たったこれだけ意識すれば、運動強度が上がってカロリー消費も促進します。

お砂糖が入った食品は控えめに

イギリスは、小児の肥満が深刻で、4〜5歳の10%、11〜12歳の年齢層の20%が肥満児であるというデータがあります。2016年、イギリス政府はが打ち出したのは、2020年までに砂糖を多く含む食品の砂糖の含有量を、2割削減するという方針。砂糖の含有量が減り、小児の砂糖摂取量が減ると、4〜10歳における肥満の比率は5.5%、11〜18歳における肥満の比率は2.2%、大人でも5.5%減少すると計算されています。

私たちも、日常生活で何気なく摂取している砂糖の量を少し減らすだけで、肥満の予防になると考えられるのです。

規則正しく1日3回食べる

痩せるために食事回数を減らすとよりも、実は1日3回規則正しい食事を心がけた方がダイエットには適しています。

元々食事の回数が少なかった人は一時的に体重が増えてしまうこともあるかもしれませんが、結果的には回数を減らすことよりも食事の時間や量を一定にして健康的に痩せるのを心がけましょう。

まずは毎日体重を量ってコツコツと

肥満を解消するには、まず本来の自分をまっすぐに見つめるところから。毎日しっかり体重を量って、規則正しい食生活と運動習慣を身につければ、だんだんと成果は見えてきます。無理しすぎないよう気をつけて、気長に取り組んでいきましょう。

本記事は過去のkencom記事をもとに再編集・編成したものです

▼参考記事

この記事に関連するキーワード