メニュー

2022.04.25

3日に1度でも便秘じゃない!?誰もが誤解する便秘のヒミツ【病のトリセツ#1】

kencom編集部

記事画像

なかなか人には悩みを相談しにくい便秘。市販薬を飲んだり、便秘に効くと言われる食べ物ばかり食べたりと、自己流でその場しのぎの対処をしていませんか?

今回は便秘とはどういう状態を指すのか、便秘になった場合どうすればいいのかなど、誤解されやすい便秘について紐解いていきます。便通でお悩みの方、必見です。

便秘の種類は?

便秘には大きく分けて2つの種類があります。

(1) 通過時間遅延型便秘

腸全体の機能低下などによって、便をなかなか排出することができないのが通過時間遅延型便秘です。弛緩型便秘と呼ばれることもあります。下剤は腸の通過を早める効果があるので、通過時間遅延型の便秘の場合、効果が期待できます。

(2) 排出困難型便秘

排便の際、溜まった便は直腸がしぼむことで排出されますが、排出困難型便秘の場合は、直腸の収縮する力が弱かったり、直腸の動きと連動して肛門が閉じてしまったりといった理由で、直腸から便を押し出すことができません。

便秘のタイプによって、対処法が違い、診断は専門の検査を行う必要があります。症状が続く場合は、自己判断せず、医療機関を受診しましょう。

それ、本当に便秘?排便のリズムを知ろう

「毎日1回、スッキリ排便しなくてはいけない」という先入観を持っている方も多いかもしれませんが、実は誤解。

排便の適切なタイミングは、十分に便が溜まった時。排便のリズムには個人差があるので、便が溜まるまでにかかる時間や、1度に出す量は人それぞれです。3日に1度の方や、1日に3回少しずつ出す方など、個人差があることが当たり前なのです。

排便後もスッキリしないと感じたり、お腹が張る感覚があったとしても、基本的に便のたまり具合とは相関しないのだそう。自覚症状だけで判断せず、まずは自分の身体にはどのような周期で便が溜まるのか、自分自身の排便リズムを正しく知っておきましょう。

大事なのは、最後の便の状態

気にして欲しいのは、排便の頻度ではなく、便の状態を確認することです。もし、はじめの便と終わりの便の形状が違う場合は、「最後の便」のほうを観察しましょう。便の状態を知る指標「ブリストルケール」を参考にしてみてください。

資料提供:神山剛一先生

参照元:https://kencom.jp/articles/80179

資料提供:神山剛一先生

目指したいのは、適度に水分を含んでおり、無理に踏ん張らなくてもするりと排便できるType4の普通便。通称”バナナ便”です。するするとバナナ便が出ているならば、毎日出なくても、量が少なくても気にしなくて大丈夫。3~4日に1度だったとしても問題ありません。いきまなくてもスルリと出せる”バナナ便”であるか、ないか。頻度や回数ではなく、その便の状態だけを注意して見るようにしてください。

便の色は食事内容に影響されることが多いので、真っ赤や真っ黒などの明らかに異常を感じるものでなければ気にする必要はありません。便やおならの臭いにも食事内容が影響している可能性があります。もし気になるのなら、食生活を見直し、臭いづらい食べ物を選ぶようにしてみましょう。

便秘になりやすい人とは?

生活習慣が乱れている

便秘は、生活習慣が大きく関わっています。

・偏った食生活
・睡眠不足
・運動不足
・過度・継続したストレス

これらは、便秘に影響すると考えられています。

女性の方が便秘になりやすい

2016年度の国民生活基礎調査結果によると、20~60代で便秘を訴えるのは男性より女性の方が大幅に多いのだとか。原因は、男性に比べて腹筋の力が弱く便を送り出す力が弱いこと、ホルモンバランス、無理なダイエットなどが考えられています。

年をとると便秘になりがち

高齢になると、筋肉量の低下や持病を抱えた方が増えるということもあり、さらに便秘に悩まされる確率が増えます。若いときは便秘とは無縁でも、ライフステージの変化によって便秘になることもあるのです。

便秘を改善するためのポイントは、食事・睡眠・運動

先に述べたように、便秘に影響するのはバランスが崩れた生活習慣です。特に、偏った食生活や睡眠不足、運動不足、過度や継続したストレスは、便秘の原因になりかねません。

便秘を改善するポイントは、食事・睡眠・運動の全てをバランス良く整えていくよう心がけていくこと。もし便秘かな?と気付いたら、最近の食生活や疲労の有無、飲酒量や運動量など、自分の生活を振り返ってみてください。影響していそうな要因が見つかったら、まずは少しずつ改善していき、どのように便の状態が変化するか観察してみましょう。

便の状態は直前の生活を反映しています。トータルで健康といえる生活習慣を目指しましょう。

和食を中心としたバランスの良い食生活を心がけよう

意識すべきはバランスの取れた食生活です。日本人が取り入れやすいのは、野菜の多い和食。また、酷い便秘に悩まされているなら、食物繊維が含まれている食品や発酵食品も取り入れてみましょう。

ちなみに、青汁やバナナ、ヨーグルトなど、便秘解消に効果があると噂される食べ物は多々ありますが、「これだけ食べれば便秘が治る」というような魔法の食べ物は存在しません。
食物繊維や発酵食品を意識しながら、さまざまな栄養素をバランス良く摂る食生活を送ることが大切だと心得て。

質の良い睡眠を取ることを意識しよう

睡眠と便秘、一見関係ないように思えます。しかし、睡眠の質が低下すると、腸が便を押し出す動きが低下したり、ストレスで交感神経が働き、便秘になる可能性があるのです。

質の良い睡眠を取れる環境と時間を確保することも便秘解消のためには重要なのです。

運動習慣を身につけよう

腹筋の力が衰えると便を押し出す力が弱くなり、便秘の原因になってしまいます。毎朝ウォーキングする、寝る前に腹筋する習慣を作るなど、生活の中で筋力を維持するための運動習慣を身につけ、継続しましょう。

改善しなければ専門医へ

排便の状態は、毎日の積み重ね、生活習慣が大きく影響しています。まずは、日々便の状態を確認しながら、食生活・運動などの生活習慣の改善を心がけてみてください。

それでも状態が好転しない場合には、無理せず専門医の受診を検討しましょう。

本記事は過去のkencom記事をもとに再編集・編成したものです

▼参考記事

この記事に関連するキーワード