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2016.09.17

「ばあちゃんの知恵袋」は風邪も疲労も癒してくれる

KenCoM編集部

おばあちゃんの知恵袋には、「小さい子供が熱を出した時には、キャベツの外葉を頭にそのままかぶせてあげると楽になる」や、「便秘の時には、ヘソに味噌シップを貼ると不思議と治る」など、薬に頼らずに、食べ物や植物の力でカラダの不調を解消する方法が数多く存在します。

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柴又で整体師を営む近藤双葉さんによると、昔、風邪をひいたときには、刻んだネギをおでこにのせたり、キャベツの外皮を頭にかぶせたりなどして治療していたこともあったそう。また、骨盤の歪みなどを治すために蒸しタオルを眼に当てるなどの治療も家庭でおこなわれていたとのこと。近藤さんは「機械化された今は知恵袋が減りましたが、現代は、ことさら、自然治癒も求められます。」と話してくれました。

昔から受け継がれてきた、穏やかな暮らしを送るための知恵が、あなたのお役に立つかもしれません。ここでは、そんな日常の不調を和らげてくれるおばあちゃんの知恵袋をご紹介します。

昔から家族の不調を助けてきたおばあちゃんの知恵袋

風邪:焦がし梅とみかんの皮で風邪ぐすりを

そのまま食べても十分薬効が得られる梅干しを、昔の人は、焼いてから風邪の薬として食べていました。梅干しを2個、網で焦げ目がつくまで焼いてから茶碗に入れ、そこにお湯を注いて箸でほぐしてから飲むことで、風邪の症状を和らげていたという話を聞いたことがある方もいるかもしれません。

梅干しは熱を加えると体を温めるムメフラールという成分が備わり、これをウイルスを攻撃するビタミンCや免疫力を高めるβ-クリプトキサンチンが豊富なみかんの皮と合わせることで風邪に強力な特効薬が出来上がります。

「焦がし梅とみかんの皮の風邪ぐすり」の作り方

1.梅干しを黒く焦げ目がつくまで焼きます。

2.みかんの皮はパリパリになるまで焼きます。

※これらの加熱は網かオーブントースターでできます。

3.加熱した梅とみかんの皮をすり鉢ですったら完成。

1日に3回、小さじ半分くらいの量を風邪ぐすりとして水と一緒に飲むと効果的だと言われています。

頭痛:しょうが油の湿布で、痛みをやわらげる

がん予防や糖尿病予防にも効果的な食べる薬こと「しょうが」には、頭の痛みを和らげる効果も期待されています。しょうがの辛味成分である「ショウガウォール」が血流を促し、炎症を抑える作用があるので、ズキズキと続く頭痛を緩和すると言われているんです。

しょうが一片を皮ごとすりおろし、同量のごま油で練れば薬の完成。あとはこれをガーゼなどに塗り込み、こめかみに貼るだけ。1日に数回、塗り替えていくことでスーっと頭の痛みが気持ちよく消えてすっきりします。

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下痢:長ネギとセロリのへそ灸で早めの治療

へそには薬効成分を吸収し、スムーズに体内へと送り届ける働きがあるため、下痢を早く治したい時には、薬効が早くお腹に届く「へそ灸」がおすすめです。

お腹の調子でお困りの際には、消化を助け、腸を整えてくれる長ネギと、血行を促したり解毒作用の高いセロリで手作りのお灸を作ってみてはいかがでしょうか。

「長ネギとセロリのへそ灸」の作り方

1.長ネギの白い部分1本としょうが15gを刻み、すり鉢でつぶします。セロリ9gを刻み、加えます。

2.(1)を3つに分け、1回分をフライパンで温めます。

3.やけどしない程度に温まったら、ガーゼで包み完成です。

こちらをへその上にのせることでお灸になります。冷めてしまったら、残りの2回も温めてお使いください。

疲労:揚げだことししとうサラダで疲労回復

江戸時代からタコは、結核や痔の薬に使われたりと、民間薬として人気の食材でした。玩具や日本画などでも主役になることが多く、古くから日本人にとって身近な生き物だったと言われています。
タコには疲労回復効果のあるタウリンが豊富に含まれており、その含有量は魚介の中でもトップクラス。また、健康な髪、爪、肌を作ったり、視力を向上させ、目の疲れを回復させるビタミンB2も豊富です。

そんなタコに、食欲増進効果のあるししとうをプラスしたサラダは、日頃の疲れを回復させるとっておきのおばあちゃんの知恵袋です。

「揚げダコとししとうのサラダ」の作り方

1.ゆでダコ300gを一口大サイズに切ります。

2.タコの水気を切った後、小麦粉をまぶします。

3.ししとうに縦に切れ目を入れます。

4.180℃の油でししとうとタコをさっと揚げます。

5.(4)をボウルに入れ、熱いうちに塩小さじ1/2、こしょう少々、醤油小さじ2をかけて、混ぜて味をなじませたら完成。

家族の健康を台所から守ってきたおばあちゃんの知恵袋

その昔、お母さんが家族の不調を守るために向かったのは、病院でも薬局でもなく、台所でした。時には裏庭や裏山まで野草を採りに行くこともあったと言います。薬に頼らず、食事によって自然に治る力を後押ししてあげることで、家族の健康を守っていました。

夏の暑さが和らぎ、朝晩の空気が少しづつ冷たくなってくると、いつもと比べて調子がよくないということが多くなるかもしれません。そんな時には、家族の健康と食事に向かい合ってきた経験が、多く詰まった「おばあちゃんの知恵袋」をぜひ試してみてはいかがでしょうか。

▼参考文献

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