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2022.03.01

ダイエットの基本は規則正しさから。抑えておきたい食生活講座

kencom公式:トレーナー・河村玲子

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コロナ禍と言われるようになってからはや2年が過ぎました。リモートワークや外出自粛の風潮があり、以前と比べて活動量が減った方も多いのではないでしょうか?運動量が減った今、やはり気を付けたいのが食事。
今回は、普段から意識することで、太りづらくなる食生活のポイントについて解説します。

朝食抜きや夕飯を多くすると太る!?

まず、体重の増減を考えるときに一番大事なのは、摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスです。
つまり、摂取エネルギーである食べ物や飲み物からのエネルギーが、消費する量よりも少なければ体重は減り、同じ程度であれば体重は一定、多い場合には体重が増加します。

従って、究極を言えば、1日1食だけにしても、摂取エネルギーと消費エネルギーが同じであれば、理論上は体重が増えないことになります。

ただし、ここには落とし穴が。1日1食にしたり、朝食(朝起きて2時間以内に食べる食事)を抜いてしまうと、エネルギーの消費量が下がり、太りやすい体質に変わっていきます。合わせて身体のリズムが崩れることで、体調不良はもとより、糖尿病などの生活習慣病になるリスクが高くなることも意識しましょう。

太りにくい習慣は、規則正しい生活リズムが重要

人の身体には「体内時計」が備わっています。我々が社会生活を24時間という時間軸で営んでいるのと同様、身体の各機能も、体内時計が刻む時間によって調節されています。

例えば、朝起きるころに脳を覚醒させ、午後には体温を上げて身体を動かしやすくする。夜寝るころには代謝を下げて、身体を回復させる。このような機能は、体内時計が様々な臓器や神経系などに「今はこれをする時間だよ」と指令を出すことで調節されています。

つまりは、体内時計がしっかりと時間を刻んでくれないと、身体の各部位が連携して働かなくなり、体調が悪化したり、エネルギーを上手に消費できなくなってしまいます。

その体内時計を正常に機能させるために必要不可欠なのが食事です。特に朝食は体内時計の時間を毎日リセットし、朝を知らせるという、1日の中で最も重要な働きがあります。

また、体内時計が機能していると、日中は代謝が上がり、エネルギーを燃やしやすいコンディションになる一方、身体を休めることに集中する夜には代謝が下がり、体内にB-MAL1というエネルギーを脂肪として溜め込む働きのある物質が増えます。肥満を防ぐためには、夕飯は20時頃には食べ終えるのが理想です。

もしその時間を過ぎて食事をするときには、脂っこい食べ物やお酒は避け、軽く茶碗に盛ったご飯にあっさりとしたおかずで整えるようにしましょう。もしくは、夕方早めの時間におにぎりなどの主食を先に摂り、夕食が遅くなった場合は、おかずのみにするという「分食」も一つの手です。

食べる順番はカーボラストを意識。食べる時はよく噛んで

皆さんは「食後高血糖」という言葉を聞いたことがありますか?
食事をすると、その中に含まれていた糖質は腸から血液中に取り込まれるため、食後は血糖値が上がりやすくなります。血糖値が高くなると、それに応じてすい臓から「インスリン」という血液中の糖を筋肉に取り込ませるホルモンが分泌されます。この際に緩やかに血糖値が上がった場合は、インスリンも緩やかに分泌されるので、糖は徐々に筋肉に取り込まれてエネルギー源として利用されます。

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しかし、血糖値が急に上がった場合は、インスリンが急に分泌されるので、筋肉だけでは糖を取り込み切れなくなります。溢れた糖がどうなるかというと、脂肪細胞に取り込まれて「体脂肪」になります。

すなわち、体脂肪を溜めないためには
1.糖質の吸収を緩やかにすること
2.食べ過ぎを防ぐこと
の2つがポイントです。

そこで実践したいのが食べる順番です。主菜に含まれるタンパク質や、副菜に含まれる食物繊維は、満腹中枢を刺激する物質を分泌し、食べすぎを防ぎますまた糖の吸収を穏やかにする働きや、インスリンのスムーズな分泌を助ける働きなどがあり、血糖値の上昇を防ぐのをサポートします。

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食後血糖値の上昇や食べ過ぎは、よく噛むことでも抑えることができます。また、よく噛んで食べるメリットはそれだけではありません。なんと、交感神経系が活性化されるので、脂肪を燃焼しやすいコンディションを作ることができます。
主食(カーボ)の前におかずを食べておくことに加え、一口につき30~40回を目標に噛むことで、血糖値の上昇を抑え、肥満を予防しましょう。

甘いものやスナック菓子が食べたい!アリ or ナシ?

結論から言えば、アリです。
このコラムの冒頭でも記した通り、体重の増減は摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスです。
食事以外からとってよいエネルギーは、ダイエットをしていなければ1日に摂取するエネルギーの1割程度。
約200kcal程です。
ですので、このエネルギーの範囲内であれば、食べても構いません。

ただし、ダイエット中で食事を制限している場合には、基本的には控えるべきです。
というのも、食事を制限しているということは、少ない摂取カロリー中で、タンパク質やビタミン、ミネラルなどの必要な栄養素をとらなくてはいけないからです。
甘いものやスナック菓子に含まれるのは、主に糖と油です。これらの食べ物でエネルギーを摂ってしまうと、必要な栄養素を摂るのが難しくなります。ダイエット中に間食をするときには、ヨーグルトや魚肉ソーセージ、果物(柑橘類、キウイフルーツ、イチゴなど甘さが控えめのもの)、あたりめなど、タンパク質やビタミンを含むものを選ぶようにしましょう。

無理な食事制限よりも、日々の食習慣を改善しよう

「ダイエット」、「健康な食事」と聞くと、主食を減らそう、揚げ物はやめようなど、食事を減らしたり、中身を変えて「我慢」することが多いと思います。ですが、食べ方や食習慣を改善することで、自然に食べる量が減ったり、痩せやすい体質になったりすることもあります。
今回紹介した食べ方を取り入れて、健康的な食生活を送れますように!

著者プロフィール

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■河村玲子(かわむら れいこ)

ボディーメイク、健康サポートを行う管理栄養士×パーソナルトレーナー。
脱サラ後、北米に渡りダイエットビジネスの視察、トレーナー活動をした後、帰国して日本にて活動を始める。帰国後はパーソナルトレーナーとして主に体幹・姿勢に着目したトレーニングを行うほか、雑誌「Tarzan」や「anan」の監修、日本エアロビクス&フィットネス協会でのコラム執筆、アスリートの栄養サポートなど、健康・スポーツ分野にて幅広く活動している。(株)SAWAKI GYM 栄養アドバイザー(株)HandY スポーツセクション 管理栄養士。
著書:「1日5分で美若体型 若返り筋トレやってます!!」(mdnコーポレーション)、「女子の筋トレ&筋肉ごはん」(新星出版社) ほか

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