2021.10.21
簡単&おいしい&風邪予防!秋鮭ときのこのバタポン焼き弁当
秋の味覚を代表する鮭。お弁当では定番の食材ですが、実は栄養面でも非常に優秀な食材。
今回はそれに加えて風邪予防によいと言われるビタミンA、C、Eが豊富なカボチャを添えて、全品合わせても10分程度でできる簡単な秋のお魚弁当を作りました。
鮭ときのこのバタポン焼き弁当
材料(1人分)
生鮭 1切
小麦粉 適量
きのこ 80g(今回はしめじ1/4パック、しいたけ2枚。お好きな種類でOK)
A
ポン酢 大さじ1と1/2
バター 5g
油 大さじ1
胡麻 少々
ごはん 200g
<副菜:カボチャの煮物>
南瓜 80g
B
醤油 小さじ1
砂糖 小さじ1
水 大さじ2
かつお節 少々
海苔 8切サイズを2枚
主な栄養(1人分)
620kcal(男性1/4弱、女性1/3)
タンパク質 34.3g(男性約60%、女性約70%)
ビタミンD 32.4㎍(男性・女性とも380%)
トリプトファン 390mg(男性140%、女性195%)
ビタミンB2 0.49㎎(男性30% 女性40%)
ナイアシン 13.1㎎(男性約90% 女性110%)
ビタミンB6 0.96mg(男性約70%、女性約90%)
ビタミンB12 6.4㎍(男性・女性とも260%以上)
葉酸 102㎍(男性・女性とも40%以上)
※()内は全て成人の1日当たりの推奨量に対しての割合です。
かつお節は2gで計算しています
作り方
1.鮭はひと口大に切り、ドリップが出ていればしっかり拭きとり小麦粉をまぶす。
2.しいたけとしめじは石突きをとり、しめじは小房に分け、しいたけはそぎ切りにする。耐熱皿にのせて、塩胡椒を少々(分量外)をして電子レンジで2分加熱する。
3.フライパンに油を熱し、鮭を中火で両面焼き、しいたけとしめじを加えて炒める。
4.食材に火が通ったら余分な油をティッシュでふき取り、Aを加えてしっかり煮絡める。
<副菜>
5.南瓜を小さな耐熱容器に入れて、上からBをまわしかける。ラップをして2分20秒加熱する。仕上げにかつお節を和える。
6.お弁当箱にごはん半量を盛り付け、海苔を敷いて上から残りのごはんを盛り付ける。4と5をごはんの上に盛り付ける。
※お好みで醤油をたらしても美味しい
このお弁当の栄養ポイントを解説!
お弁当定番の「鮭」は優秀食材
秋の味覚を代表する鮭は栄養素たっぷりの優秀食材!
まず、良質なタンパク質が豊富です。鶏むね肉が100gあたり21.3gなのに対し、鮭は22.3gとむしろ多く含まれています。タンパク質は三大栄養素の中でも現代人が不足しがちなので、鮭ならより効率的に摂取できます。
また鮭に含まれるトリプトファンは必須アミノ酸の一種で、質の良い睡眠に必要と言われるメラトニンというホルモンの原材料です。これが100gで成人男性(※)の1日分を摂取することができます。睡眠は健康に欠かせない要素ですから、この点でも大切と言えるでしょう。また、このホルモンをつくるために欠かせないビタミンB6も豊富で、1日の推奨量の2/3以上を摂ることができます。
※日本人の参照体重30~74歳の平均が67kgのため70kgで算出
鮭は赤身魚と間違われやすいのですが、実は白身魚。この赤い色素はアスタキサンチンといって、強い抗酸化作用があります。
免疫機能の向上やカルシウムの吸収率向上が期待されるビタミンD、中性脂肪低下や血栓予防効果が期待されるDHAなど、鮭には身体に良い栄養素がたくさん含まれています。
骨を取り除いた切り身も多く出回っているため、面倒な手間もかかりません。色々な意味でお弁当の優秀食材といえます。
現代人の悩みを美味しく解決。きのこを是非取り入れて
きのこ類の栄養は一般に、糖質を代謝して神経系統の調整を行ってくれるビタミンB1、タンパク質・脂質・炭水化物の代謝に働いてくれるビタミンB2、体内の全酵素の約20%のサポート役を担っており皮膚や粘膜の正常化にもかかわるナイアシン、骨・歯の原材料となり筋肉の収縮作用にも重要な役割をもつカルシウムなどを含んでいます。
そして何といっても注目すべきは食物繊維でしょう。きのこは平均して約3%の食物繊維を含んでいます。血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度の低下整腸作用など、現代人の多くの悩みを解決してくれる頼もしい存在です。現代人は食物繊維が4~7g不足していると言われています。このお弁当で摂れる食物繊維は9.1g。女性なら1日の半分がまかなえます。
きのこはどんな料理にも馴染みやすい食材なので、秋はもちろん年中積極的にとりいれて欲しい食材です。
風邪予防にビタミンA・C・E
これから寒くなり風邪が気になる季節。
抗酸化作用のあるビタミンA(人参、南瓜、ほうれん草など緑黄食野菜)、C(野菜、果物全般)・E(緑黄色野菜、ナッツ類、魚介類、油脂類)はビタミンエースとも呼ばれ、免疫力アップによいとされています。
カボチャにはこの栄養素が豊富に含まれており、「冬至にかぼちゃを食べると風邪を引かない」とよくいわれますが、とても理にかなっているのです。
今回は簡単にレンジで作れる方法をお伝えしましたが、かぼちゃを切るのが面倒…という方はブロッコリーやほうれん草がおすすめ。もともと栄養価の高い野菜ですが、旬の冬にはより一層高まることが知られています。
健康的なお弁当は難しくない
栄養を考えたお弁当は時間もお金もかかると思われがちですが、そんなことはありません。
栄養価の豊富な食材をシンプルに調理し、主食3:主菜1:野菜2のバランスでお弁当を盛り付ければ大体整っていきます。また、脇役でよく使われる胡麻、海苔、かつお節も栄養がギュギュっと凝縮されています。こまめにプラスすることで栄養価もおいしさもUPします。
難しく考えず、手軽に実践してくださいね。
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前田 量子(まえだ・りょうこ)
管理栄養士 野菜ソムリエ ロジカル調理研究家。
著書『ロジカル調理』『ロジカル和食』『考えないお弁当』をはじめ、最新著書『おうちで一流レストランの味になるロジカル洋食』(全て主婦の友社)が好評発売中。調理科学で普段のもやもや悩みをすっきり解決 。スーパーの食材で本当に美味しく&家族が楽しみにしてくれる定番家庭料理を作れるようになる料理教室主宰。