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2021.09.24

ひじきの煮物ときんぴらごぼう、イライラしているときに食べるならどっち?【管理栄養士がジャッジ Vol.45】

kencom公式:管理栄養士・長有里子

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忙しい日々を送る中、「なぜかイライラしてしまう」こともあるでしょう。イライラの原因は、ストレスや睡眠不足、ホルモンバランスの乱れなど様々ですが、ちょっとした食事のメニュー選びで、もしかしたらイライラ解消の手助けができるかもしれません。

今回は、定番のお惣菜で比べてみましょう。

ひじきの煮物ときんぴらごぼう、イライラしているときに食べるならどっち?

正解は、ひじきの煮物

イライラしている時に注目したい栄養が「カルシウム」と「マグネシウム」です。カルシウムというと骨の健康のために働くというイメージが強いと思いますが、働きはそれだけではありません。カルシウムはマグネシウムと一緒に、”抗ストレスミネラル”と呼ばれています。

カルシウムとマグネシウムの比率は2:1が理想的だとされており、このバランスが崩れると神経の興奮が抑えられなくなり、イライラ感などが生じる原因になるといわれています。

そこで調整役となってくれる食材が「ひじき」です。

ひじきの煮物のカルシウム量は100mg、マグネシウム量は43mgに対して、きんぴらごぼうのカルシウム量は36mg、マグネシウム量は25mgと、ひじきの煮物のほうが理想的な比率になっています(100g中)。

普段の食事ではひじきの煮物だけを食べるわけではないので、食事全体でみると2:1の比率にするのはなかなか難しいかと思いますが、それでもひじきの煮物をチョイスすることは、バランスの改善に役立つでしょう。

きんぴらごぼうは食物繊維のバランスがばっちり!

一方のきんぴらごぼうは、食物繊維のバランスが良いメニュー。

食物繊維には「水溶性」と「不溶性」があります。水溶性食物繊維は主に腸内環境を整える働きが、不溶性食物繊維は便を作り排泄しやすくする働きがあり、このふたつをバランスよく摂れると良いのですが、水溶性食物繊維を効率よく摂れる食材というのはそう多くありません。

お通じに課題を感じている方は、ぜひ毎日の食事に取り入れてみてはいかがでしょう。

覚えておこう。『そばのひ孫と孫は優しい子かい?納得!』

先述の通り、イライラ対策にはカルシウムとマグネシウムのバランスが大切とお伝えしましたが、毎日の食生活でカルシウムを摂ろうと意識はしていても、マグネシウムを意識されている方はどのくらいいるでしょうか。

マグネシウムは認知度の低いミネラルですが、体内の様々な代謝を助けたり、神経の情報伝達、筋肉の収縮などにもかかわる大切な栄養素です。

では、どんな食材に多く含まれているでしょうか?それは、東京慈恵会医科大学客員教授の横田邦信先生が考案された『そばのひ孫と孫は(わ)優しい子かい?納得!』を覚えておくと便利です。

「そ」は蕎麦、「ば」はバナナ、「の」は海苔、「ひ」はひじき、「ま」はまめ類、「ご」は五穀米、「と」は豆腐、「ま」は抹茶、「ご」は胡麻、「わ」はワカメ、「や」は野菜類、「さ」は魚類、「し」は椎茸、「い」はイチジク、「こ」は昆布、「か」は牡蠣、「い」は芋、「なっ」は納豆、「と」はトウモロコシ、「く」は胡桃です。

つまりはいろいろなものをバランスよく食べましょうということにつながりますが、少しの意識でカルシウムとマグネシウムのバランスが整いやすくなる上、他の栄養素も摂りやすくなり、トータルで心身の健康につながるでしょう。

ぜひ日々の食事の参考にしてみてくださいね。

▼参考文献

栄養成分バイブル(中村丁次監修/主婦と生活社)

過去の『管理栄養士がジャッジ』はこちらから

著者プロフィール

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■長 有里子(おさ・ゆりこ)
管理栄養士/sazukaru代表。
人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴、食と健康の総合ポータルサイト「イートスマート」立ち上げメンバー。サイトや書籍の栄養監修多数。現在はプレコンセプションケアにも力を入れている。

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