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2021.09.06

小さな子供の眠りの質を守る習慣【眠りの秘めたる力#21】

kencom公式:睡眠改善インストラクター・西谷綾子

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私事で大変恐縮ですが、昨年12月に男の子を出産しました。
産後、2〜3時間おきの夜の授乳でこれまでにない寝不足を経験し、今まで学んできた眠りの重要性を実体験しています。

例えば、動き出したものの目的を忘れてしまい「あれ?何しに来たんだっけ?」ということが何度もあります。眠いのに無理に脳を覚醒し、過剰に興奮させたため、あちこちに気が散っている状態です。他にも、哺乳瓶にミルクの粉がうまく入れられないなんてことも。寝不足により、頭の中のイメージと実際の身体の動きにちょっとしたギャップが生まれているようです。

こうした寝不足のサインをたくさん受け、今は仮眠を取り入れながら日々頑張っています。

そこで今回は、子育て中に意識したい睡眠習慣についてご紹介します。

赤ちゃんも朝は太陽の光を浴びて体内時計を整える

赤ちゃんは産まれてしばらくは朝と夜の区別がつかないため、体内時計を整える環境を作ることが大切。以前、朝の光を浴びることの大切さをお伝えしたように、赤ちゃんも朝はしっかり脳に光を届けたほうが良いのです。

夜中、赤ちゃんがなかなか眠らなかったり、夜泣きがひどく朝方にようやく眠ったという場合でも、朝になったら、抱っこして窓から1m以内に連れていきましょう。直射日光に当たるのではなく、光を感じられる場所にいることが大切です。

そのまま寝かせてあげたい気持ちにもなりますが、朝に太陽の光を浴びさせないと夜なかなか眠くならず、寝かしつけや夜泣きへの対応が大変になってしまいます。

朝、太陽の光を浴びることで眠りのホルモン「メラトニン」はストップし、夜にまた「メラトニン」が分泌され眠くなるからです。子供は大人より光に対する感受性が高いので、夜は蛍光灯やスマホ、テレビなどの光に当たらないように心がけましょう。

寝かしつけの絵本はベッド以外の場所で

寝かしつけの時に気をつけて頂きたいことがあります。まずは、絵本を読む場所です。皆さん、お布団の上で絵本を読んで寝かしつけをしていませんか?

以前、脳は場所と行動をセットで記憶するお話をしたように、お布団の上で絵本を読む習慣ができてしまうと、例え絵本を読んでいないときでも、お布団に入ると視覚野や言語野が働くようになり寝つきにくくなります。

そのため、絵本の読み聞かせは基本的にベッド以外の場所にしましょう。リビングやベッドのわきで読み聞かせをし、眠くなったら一緒にベッドに入るという方法を続けていると、読み聞かせなしでも眠れるようになっていきます。

当然、親の睡眠にも余分な記憶をつくらずに済みます。

子供の脳に「お布団=睡眠」という記憶がどんどん強化されて、お布団に行けば自分で眠れるようになります。最初は手間かもしれませんが、将来のために今からトレーニングしておきましょう!

寝かしつけるつもりが一緒に眠ってしまう時の対処法

また、子供の寝かしつけの時に一緒に眠ってしまう場合は、30分や1時間眠るのではなく、まとまって3時間眠るようにしてみましょう。なぜなら睡眠は平均90分単位で深くなって浅くなるサイクルです。最初の2サイクルである3時間に深い睡眠が集中します。この3時間ぐっすり深く眠らなければどれだけ眠っても疲れは取れません。

さらに3時間後の起きたい時間を3回唱える自己覚醒法を使って目覚めるようにすると、意図せず眠った場合と比べて、目覚めた時のスッキリ感が違います。準備して眠った方が、心拍や呼吸数が低下して最初から深く眠ることができ、短時間でも回復した感覚を得られやすいです。目が覚めたらやり残していた家事などを1〜2時間で済ませ、深部体温が最低になる時間帯に布団に入り再び眠って量をカバーします。私は、睡眠を2回に分けて乗り切っている日もあります。

子育て中は睡眠時間をしっかり確保するのが難しいものですが、親子で睡眠サイクルを作って健康に過ごしたいものですね。

西谷 綾子(にしたに・あやこ)

睡眠改善インストラクター。
眠りのエキスパートとして、ワークショップや講演会などで活動中。自身のYouTubeチャンネル『あや吉チャンネル』では快眠のためのワンポイントアドバイスも行っている。
ランニングにも注力し、フルマラソンのベストタイムは3時間1分。〈Body & Soul Running Club〉を主宰し、初心者教育も行う。

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