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2021.09.06

流水不要麺でとことん手間を省く!残暑に負けない栄養豊富な冷やし中華弁当

kencom公式:管理栄養士・前田 量子

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9月に入りましたが、まだまだ残暑厳しい日が続きそうです。

クーラーの効いた部屋にこもったり、室温と外気温の温度差が激しい場所を行き来すると、食欲低下や疲れ、だるさといった夏バテの症状が出やすくなります。また暑いと麺料理が増え、栄養素が炭水化物に偏り、栄養バランスが崩れてしまいます。

しかし、栄養バランスの良いものをとりましょう!と言っても手が込んだものは難しいですよね。
今回は、簡単に超時短ででき、もちろん栄養価優秀な、冷たくてつるつるっといける冷やし中華弁当をご紹介します。

あっという間の超時短!冷やし中華弁当

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材料(1人分)

中華麺 1人前
タレ 1袋

豚ロース肉しゃぶしゃぶ用 70g
カニ風味かまぼこ 40g
水菜 2束(70g)
ミニトマト 2個(30g)

※ゆで・流水不要タイプを使用。タレは麺に付属しているものでOK

主な栄養素

500kcal(男性20% 女性28%)
タンパク質 30g(男性50% 女性60%)
カルシウム 241mg(男性32% 女性37%)
鉄 2.5mg(男性30% 女性24%)
ビタミンB1 0.58mg(男性42% 女性53%)
ビタミンC 49mg(男性49% 女性49%)

※()内は1日当たりの所要量に対する充足率
※中華麺は商品ではなく成分表より算出

作り方

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1.水菜は茹でて流水にとり、ぎゅっと水気を絞ってから食べやすい長さに切る。
2.豚肉は茹でてザルにあげ、冷ます。
3.ミニトマトはヘタを取り、半分に切る。
4.お弁当箱に麺を入れて、上に具材をのせる。

このお弁当の栄養ポイントを解説!

元気に過ごすための栄養素、ビタミンB1

夏はそうめんやお蕎麦など口当たりの良い炭水化物や、アイスクリームなど糖質を多く摂りがちになります。また、おかずを作る手間を省いてしまい、メイン1品だけということも多いです。
そんな偏った食事が続くと、身体が糖質を代謝しきれず疲れの原因になってしまうのです。

エネルギー代謝に深くかかわるのがビタミンB群ですが、その中でも糖質をエネルギーに変えてくれるのがビタミンB1です。ビタミンB1を多く含む食材は、なんといっても豚肉。その中でも赤身に多く含まれています。なるべく脂肪が少ない部位を選ぶと良いでしょう。

タンパク質を意識的にとる

現代は飽食の時代となって久しく、食に恵まれている環境にあります。しかし実際はエネルギーと糖質、脂質を摂り過ぎ、タンパク質やビタミン、ミネラルが不足しがちです。
この状態のことを「現代型栄養失調」と言い、夏バテもこれに近い状態にあります。

タンパク質を多く含むものは肉や魚、卵、大豆製品。どれも主菜になるもので沢山とっているイメージがありますが、実は不足しがちなのです。
今回のお弁当に入れているカニ風味かまぼこ、豚肉はどちらもタンパク質が豊富です。調理も豚肉はさっと茹でるだけですし、カニ風味かまぼこはのせるだけ。茹でる時間もない時は、ハムやサラダチキンにしても良いでしょうし、最後に市販の温泉卵をプラスするのもおすすめです。
手軽にタンパク質をとれる食品は身近に沢山ありますので、意識して取り入れるようにしてください。

栄養素の多いものを取り入れる

主な栄養素には、タンパク質、炭水化物、脂質のカロリーを発生する三大栄養素と、体調を整えるビタミン、ミネラルがあります。

炭水化物と脂質は過剰傾向にあり、意識しないと摂れないのが主に野菜に含まれるビタミンとミネラルです。夏場にたくさん出る汗は、水分だけでなくカリウムやカルシウムも含まれており、冬場よりも損失されやすいのです。それを補給するためにも野菜は大切。
特に緑黄色野菜にはビタミンミネラルが多く含まれる傾向にあり、今回使用している水菜にはカルシウムが豊富に含まれています。他の野菜で代用するなら、ほうれん草、小松菜、青梗菜などがおすすめです。野菜をとる時は、栄養素を多く含む緑黄色野菜を意識しましょう。

暑い時に気を付けたいお弁当のPOINT

まだまだ暑いので、お弁当の食中毒には気をつけましょう。

今回のお弁当で言えば、冷やし中華の付属のタレを凍らせて保冷材にする等の工夫も良いでしょう。
食中毒予防の原則は、つけない・増やさない・やっつける(殺菌)です。以上の事をすればそんなに心配なことはありません。あまり神経質にならず市販品を上手に使いながら作ってみて下さい。

お弁当を作るときの注意

・お弁当箱と調理器具は清潔に扱い、アルコール消毒を
・おかずは素手で扱わない
・中までしっかり加熱する
・ご飯やおかずは冷ましてから詰める
・持ち運び時には保冷剤や保冷バッグを活用し、10度を超えないようにする

残暑を乗り切りスムーズに秋を迎えるために

暦の上では、もう秋。日中は暑くても朝晩は涼しくなるため、気温差が大きく自律神経機能が低下することも。

規則正しい生活をして適度に汗をかき、栄養バランスの良い食事をとり、たっぷり眠って朝起きたら日光を浴びる。自律神経を整えて、季節の変わり目をスムーズに乗り切りましょう。
お昼ご飯を外食やカップ麺などで済ませてしまう方も、手間を省いたお弁当習慣で、食生活を改善してみませんか。

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前田 量子(まえだ・りょうこ)

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管理栄養士 野菜ソムリエ ロジカル調理研究家。
著書『ロジカル調理』『ロジカル和食』『考えないお弁当』をはじめ、最新著書『おうちで一流レストランの味になるロジカル洋食』(全て主婦の友社)が好評発売中。調理科学で普段のもやもや悩みをすっきり解決 。スーパーの食材で本当に美味しく&家族が楽しみにしてくれる定番家庭料理を作れるようになる料理教室主宰。